エンタメ
2025-07-12 10:00

映画『国宝』(李相日監督)の快進撃が止まらない。公開31日間で観客動員数319万人、興行収入44.8億円を記録し、今週末にも50億円を突破するいきおいで、まさに空前の社会現象となっている。
【画像】吉沢亮、横浜流星、渡辺謙ほかメインキャストの場面写真
なぜここまでの大ヒットになったのか。7月4日、TOHOシネマズ日比谷で観客への取材を敢行し、その理由を探った。浮かび上がってきたのは、「口コミの力」だ。
■映画『国宝』とは
本作は、吉田修一による同名小説が原作。歌舞伎指導も担当した中村鴈治郎の元で、吉田自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入って過ごした経験を血肉にして書き上げた渾身の作品を、『フラガール』の李相日監督が映画化した。
主演は吉沢亮、共演に横浜流星。任侠の一門に生まれ、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄(吉沢)と、上方歌舞伎の名門に生まれた御曹司・俊介(横浜)、芸の道に人生を捧げた二人の軌跡を描く壮大な一代記だ。
吉沢や横浜は、まっすぐ歩くことから始め、すり足、正座の仕方、扇子の扱いなど、日本舞踊や歌舞伎の基本動作を一から学び、吹替なしで演じきった。
■口コミが世代を超える拡散力に
平日夕方にもかかわらず、20〜30代の学生や社会人、60代以上のシニア層まで来場者は幅広い。カップル、親子、友人、夫婦など「誰かと一緒に」観に来る姿が目立つ。
若い世代ではTikTokなどSNSの盛り上がりが来場のきっかけになっている。
*「TikTokで『みんな観たほうがいい』って感想を見て気になった」(20代・看護師の女性)
一方、シニア層はテレビCMやニュース、俳優インタビューなどの影響も強い。
*「テレビで『国宝』がヒットしているというニュースを見て。映像が綺麗だと思った」(60代・女性)
*「吉沢亮さんのインタビューをテレビで見て気になった」(60代・女性)
だが共通するのは、「最終的に友人・家族の『良かったよ』という口コミが決め手になった」という点だ。
*「母が『本当に良かったよ』って言ってて、観終わった今、それがすごくわかった」(19歳・大学生の女性)
*「周りがみんな観ていて、アニメ好きもそうじゃない子も関係なく『すごい』って言ってたので気になっていた」(18歳・大学生の女性)
*「友人や知人が勧めてくれて、SNSでも話題になっていたので。劇場で観た方がいいと言われて来た」(20代・会社員の女性)
■歌舞伎未経験でも「入り口になる」
観客の多くは歌舞伎未経験や初心者。この映画を「伝統芸能の入り口」「日本らしさ」「文化としての歌舞伎」として受け止めている声もあった。
*「日本人ならではのこういう世界もあるんだな、ということを知ることができた。日本の伝統芸能の美を感じられた」(20代・会社員の女性)
*「歌舞伎の入門編みたいで良かった。綺麗で感動しました」(60代・女性)
*「歌舞伎なんて敷居が高いけど、映画なら観られる」(60代・男性)
*「普段見られない世界を知れるのが良かった」(20代・会社員の女性)
*「本物の歌舞伎も観に行ってみたいと思いました」(20代・看護師の女性)
*「早変わりもドキドキしたし、所作が本当にすごい。歌舞伎座にいるような迫力だった」(60代・女性)
*「歌舞伎のことは何も知らなかったけど、だんだん分かるように描かれていて良かった」(30代・会社員の男性)
*「映像と音響で、歌舞伎座にいるような感じがしました」(60代・女性)。
■俳優陣の「覚悟」と「熱量」に圧倒
吉沢亮、横浜流星ら俳優目当ての人も、これまで2人を意識して見ることがなかったと言う人も、内容でしっかり「演技」「世界観」に引き込んだ。「藤娘」「鷺娘」など美しい歌舞伎シーンへの絶賛も相次いだ。所作や女形の声の出し方に感動したという声も多い。
*「役者さんの覚悟を感じた」(60代・女性)
*「吉沢亮さんも横浜流星さんも全然違う役をやり切っていてすごかった」(60代・主婦)
*「役者さんの演技から、背負ってきたものの重みを感じて考えさせられた」(60代・主婦)
■3時間の長尺でも「あっという間」
3時間という長尺への反応も印象的だ。「長そう」と警戒していた人も多いが、「あっという間だった」「全く眠くならなかった」という声がほとんどだった。
*「自分が何をしてたか分からないくらい没入した。人生そのものを見せられた感じ」(18歳・大学生)
*「最初は長いかなと思ったけど、全然眠くならなかった。あっという間だった」(60代・女性)
*「最初は長いかなと思ったけど、あっという間だった」(60代・女性)
*「50年くらい一緒に生きた気分になった」(50代・会社員の女性)
*「途中から完全に巻き込まれた」(60代・男性)
■「人生を見せられた」深い余韻
そして、多くの人が「人生を見せられるようだった」と単なる「面白かった!」では済まない深い感想が相次いだ。
*「人生の浮き沈みを描いていて、すごく考えさせられた」(60代・男性)
*「軽々しくは勧められないけど、興味がある人には背中を押したい」(18歳・大学生の女性)
*「登場人物それぞれの人生の試練が描かれていて、胸を締め付けらる場面が多々あった」(30代・自営業の男性)
*「新卒1年目ですが、同期にも勧めたい。頑張る姿を観て、自分も頑張ろうと思えた」(20代・会社員の女性)
*「息子にもぜひ観てほしい映画」(60代・女性)
*「本当に感動して、もう一回観たい。周りにも『ぜひ観ましょう』って勧めてます」(60代・女性)
年齢層の幅広さ、「歌舞伎初心者」をひきつける間口の広さ。話題や評判をきっかけに多世代が劇場に足を運び、演技と映像美へのリスペクトを語る。そして鑑賞後は「人生を見たような感動」を胸に刻み、誰かに伝えたくなる。「軽々しくは勧められないけど、大切な人にこそ勧めたい」。そんな深い口コミこそが、『国宝』を社会現象に押し上げている最大の原動力だ。
年齢層の幅広さ、「歌舞伎初心者」でもひきつける間口の広さ。話題や評判をきっかけに多世代が劇場に足を運び、俳優陣の覚悟と圧倒的な演技、映像美へのリスペクトを語る。そして鑑賞後は「人生を見たような感動」を胸に刻み、誰かに伝えたくなる。「軽々しくは勧められないけど、大切な人にこそ勧めたい」。そんな深い口コミこそが、『国宝』を社会現象に押し上げた最大の理由だ。
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なぜここまでの大ヒットになったのか。7月4日、TOHOシネマズ日比谷で観客への取材を敢行し、その理由を探った。浮かび上がってきたのは、「口コミの力」だ。
■映画『国宝』とは
本作は、吉田修一による同名小説が原作。歌舞伎指導も担当した中村鴈治郎の元で、吉田自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入って過ごした経験を血肉にして書き上げた渾身の作品を、『フラガール』の李相日監督が映画化した。
主演は吉沢亮、共演に横浜流星。任侠の一門に生まれ、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄(吉沢)と、上方歌舞伎の名門に生まれた御曹司・俊介(横浜)、芸の道に人生を捧げた二人の軌跡を描く壮大な一代記だ。
吉沢や横浜は、まっすぐ歩くことから始め、すり足、正座の仕方、扇子の扱いなど、日本舞踊や歌舞伎の基本動作を一から学び、吹替なしで演じきった。
■口コミが世代を超える拡散力に
平日夕方にもかかわらず、20〜30代の学生や社会人、60代以上のシニア層まで来場者は幅広い。カップル、親子、友人、夫婦など「誰かと一緒に」観に来る姿が目立つ。
若い世代ではTikTokなどSNSの盛り上がりが来場のきっかけになっている。
*「TikTokで『みんな観たほうがいい』って感想を見て気になった」(20代・看護師の女性)
一方、シニア層はテレビCMやニュース、俳優インタビューなどの影響も強い。
*「テレビで『国宝』がヒットしているというニュースを見て。映像が綺麗だと思った」(60代・女性)
*「吉沢亮さんのインタビューをテレビで見て気になった」(60代・女性)
だが共通するのは、「最終的に友人・家族の『良かったよ』という口コミが決め手になった」という点だ。
*「母が『本当に良かったよ』って言ってて、観終わった今、それがすごくわかった」(19歳・大学生の女性)
*「周りがみんな観ていて、アニメ好きもそうじゃない子も関係なく『すごい』って言ってたので気になっていた」(18歳・大学生の女性)
*「友人や知人が勧めてくれて、SNSでも話題になっていたので。劇場で観た方がいいと言われて来た」(20代・会社員の女性)
■歌舞伎未経験でも「入り口になる」
観客の多くは歌舞伎未経験や初心者。この映画を「伝統芸能の入り口」「日本らしさ」「文化としての歌舞伎」として受け止めている声もあった。
*「日本人ならではのこういう世界もあるんだな、ということを知ることができた。日本の伝統芸能の美を感じられた」(20代・会社員の女性)
*「歌舞伎の入門編みたいで良かった。綺麗で感動しました」(60代・女性)
*「歌舞伎なんて敷居が高いけど、映画なら観られる」(60代・男性)
*「普段見られない世界を知れるのが良かった」(20代・会社員の女性)
*「本物の歌舞伎も観に行ってみたいと思いました」(20代・看護師の女性)
*「早変わりもドキドキしたし、所作が本当にすごい。歌舞伎座にいるような迫力だった」(60代・女性)
*「歌舞伎のことは何も知らなかったけど、だんだん分かるように描かれていて良かった」(30代・会社員の男性)
*「映像と音響で、歌舞伎座にいるような感じがしました」(60代・女性)。
■俳優陣の「覚悟」と「熱量」に圧倒
吉沢亮、横浜流星ら俳優目当ての人も、これまで2人を意識して見ることがなかったと言う人も、内容でしっかり「演技」「世界観」に引き込んだ。「藤娘」「鷺娘」など美しい歌舞伎シーンへの絶賛も相次いだ。所作や女形の声の出し方に感動したという声も多い。
*「役者さんの覚悟を感じた」(60代・女性)
*「吉沢亮さんも横浜流星さんも全然違う役をやり切っていてすごかった」(60代・主婦)
*「役者さんの演技から、背負ってきたものの重みを感じて考えさせられた」(60代・主婦)
■3時間の長尺でも「あっという間」
3時間という長尺への反応も印象的だ。「長そう」と警戒していた人も多いが、「あっという間だった」「全く眠くならなかった」という声がほとんどだった。
*「自分が何をしてたか分からないくらい没入した。人生そのものを見せられた感じ」(18歳・大学生)
*「最初は長いかなと思ったけど、全然眠くならなかった。あっという間だった」(60代・女性)
*「最初は長いかなと思ったけど、あっという間だった」(60代・女性)
*「50年くらい一緒に生きた気分になった」(50代・会社員の女性)
*「途中から完全に巻き込まれた」(60代・男性)
■「人生を見せられた」深い余韻
そして、多くの人が「人生を見せられるようだった」と単なる「面白かった!」では済まない深い感想が相次いだ。
*「人生の浮き沈みを描いていて、すごく考えさせられた」(60代・男性)
*「軽々しくは勧められないけど、興味がある人には背中を押したい」(18歳・大学生の女性)
*「登場人物それぞれの人生の試練が描かれていて、胸を締め付けらる場面が多々あった」(30代・自営業の男性)
*「新卒1年目ですが、同期にも勧めたい。頑張る姿を観て、自分も頑張ろうと思えた」(20代・会社員の女性)
*「息子にもぜひ観てほしい映画」(60代・女性)
*「本当に感動して、もう一回観たい。周りにも『ぜひ観ましょう』って勧めてます」(60代・女性)
年齢層の幅広さ、「歌舞伎初心者」をひきつける間口の広さ。話題や評判をきっかけに多世代が劇場に足を運び、演技と映像美へのリスペクトを語る。そして鑑賞後は「人生を見たような感動」を胸に刻み、誰かに伝えたくなる。「軽々しくは勧められないけど、大切な人にこそ勧めたい」。そんな深い口コミこそが、『国宝』を社会現象に押し上げている最大の原動力だ。
年齢層の幅広さ、「歌舞伎初心者」でもひきつける間口の広さ。話題や評判をきっかけに多世代が劇場に足を運び、俳優陣の覚悟と圧倒的な演技、映像美へのリスペクトを語る。そして鑑賞後は「人生を見たような感動」を胸に刻み、誰かに伝えたくなる。「軽々しくは勧められないけど、大切な人にこそ勧めたい」。そんな深い口コミこそが、『国宝』を社会現象に押し上げた最大の理由だ。
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