IT ジャーナリストの松村太郎氏から見るTransferWiseを利用した″海外送金トレンド″
2018-09-25 18:05:19
突然ですがみなさん、海外へお金を送金したことがあるでしょうか?送金の経験がある方の中には不満を感じた方もいると思いますが、実は海外に送金する際には多くの手数料がかかり、しかもその手数料の内容は複雑で、全ての内容を把握するのは難しくなっています。
今回、IT ジャーナリストの松村太郎氏は、複雑な海外送金においての考察を発表。さらにその中で「海外送金サービス TransferWise」の有用性についてコメントしました。
海外送金サービス TransferWiseとは
海外送金をする際の手数料は、「隠れコスト」のせいで、時に非常に割高になります。しかし、銀行などの送金に比べ、TransferWiseの海外送金は至ってシンプル。例えば、日本からアメリカに送金をしたい場合は、TransferWise の銀行口座に日本円で振込みます。その後 TransferWise のアメリカ銀行口座から、米ドルでアメリカにいる受取人の銀行口座へ支払いが行われます。
つまり、実際の資金は国境を越えておらず、国内のTransferWiseの資金が循環していることに。この仕組みが早くて安い海外送金を実現しています。
IT ジャーナリスト 松村太郎氏から見る″海外送金トレンド″
今回、松村太郎氏は近年の海外送金についてコメント。TransferWiseの有用性を語りました。
<海外送金手数料に関する複雑性>
銀行を通じた海外送金サービスの利用において発生するのが、両替やクレジットカードと同様の為替手数料だ。しかし、銀行の海外送金サービスの手数料はより複雑だ。
一般的な大手銀行では、5万円までの送金には1/20の為替手数料が必要となり、その最低料金は2500円もしくは25ドルだ。つまり、50000円送金する場合も、10,000 円送金する場合も、2,500 円の為替手数料がかかる。
これに加え、送金手数料が一律 5,500 円、受取手数料一律 3,000 円がかかり、場合によっては中継手数料が差し引かれる。つまり、10,000 円送金する場合の手数料は 11,000 円かかり、不透明な中継手数料も存在するのだ。これらの存在から、いくら振り込めば 100 ドルを送金できるのかが不明瞭であることがわかる。
そうした中で、TransferWise は、米ドルの場合、送金額の 0.55%+100 円という手数料を実現しており、10,000 円の送金にかかる手数料は 155 円と、最も安い金額となっている。
しかも、為替手数料やレートの上乗せ(スプレッド)もないため、特に、少額になりがちなショッピングやオークション利用などにかかわる海外送金を行う場合、TransferWise の活用に高い優位性が発揮されることがわかる。
勿論、海外留学・赴任の準備金や生活費、海外に住む家族への仕送り、海外での投資など少額でない場合でも TransferWise が優位性を発揮するケースは多分にある。
<手数料以外の重大な優位性>
銀行を利用した送金には、手数料の高さに加えてもう一つ、重要な利便性の低さがある。 それは、時間だ。時間についても、TransferWise は多面的な優位性を持っている。
TransferWise では、送金手続きをウェブやアプリで行うことができる。資金の移動をオンラインバンキングで TransferWise宛に振込を行えば、全ての手続きをいつでもスマートフォンで完了させることができる。
加えて、着金までの時間にも、TransferWise の優位性がある。銀行では 1〜6 営業日と案内されているが、TransferWise で は両替後 1〜2 日で着金が完了する。
多くの人が経験することだが、海外送金中、自分の資金がどうなっているのか不安に感じる。自分の口座から出金され、相手の口座に振り込まれるまで、自分の資金の保証がどこにもないからだ。その点、TransferWise は預かり資金の 100%保証をうたっている。
送金手続き、着金までの時間の短さ、資金の保証といった、時間や信頼性の面での安心感は、手数料とともに、海外送金サービスにおける重要な競争力となる。
TransferWise は、グローバルで活躍する人々にとっての「重要なインフラ」としての発展性を期待することができる。
松村太郎 / プロフィール
1980 年東京生まれ。2011 年よりテクノロジーとライフスタイル、ビジネスに関する取材を米国から発信する。また教育と IT で社会問題を解決するキャスタリア株式会社取締役研究責任者、2014 年設立のプログラミング必修の通信制高校、学校法人信学会コードアカデミー高等学校の副校長を務め、現在スーパーバイザーとして新しい学校作りに携わる。
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Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット