猛暑の夏は“暑さに合わせて服を選ぶ”時代へ!ユニクロが提唱する新発想「適材適暑」、小田急電鉄の駅員制服にも採用
2026-06-04 13:14:39

近年、日本の夏は記録的な猛暑が続いている。2026年には40℃以上の日を示す「酷暑日」という新たな呼称も登場し、暑さ対策の重要性はこれまで以上に高まっている。
こうした中、ユニクロは2026年6月1日、夏の新しい服選びの考え方を提案する「適材適暑(てきざいてきしょ)アカデミー」を開催した。
その時々の暑さや環境に応じて素材や機能を選び、衣服で快適さをコントロールするという新たな考え方とは何か。熱中症の専門家や小田急電鉄の取り組みとともに紹介する。
「一着で乗り切る」から「暑さに合わせて選ぶ」へ

ユニクロ ジャパンマーケティング部 部長の古宿瑠美氏は、近年の猛暑について「私たちが感じる暑さは一様ではない」と説明した。
気温だけでなく、湿度や日差し、屋内外の環境などによって暑さの感じ方は変化する。梅雨時のキッチンと駅のホームでは求められる機能が異なり、冷房の効いた室内では寒暖差への対応も必要になる。
そこで同社が提唱するのが「適材適暑」だ。その時々の暑さや環境に応じて素材・機能・デザインを選び、快適さをコントロールするという考え方である。
ユニクロでは、吸汗速乾機能を持つエアリズムやドライEX、UVカット機能付きアイテムなどを展開している。これらを単体ではなく組み合わせながら活用することで、より快適な夏の過ごし方を提案していくという。
また同社は6月1日から、一部店舗に大型気温計を設置。気温に応じて「真夏日」「酷暑日」などを表示し、その日の暑さを可視化する取り組みも開始した。
熱中症専門医が指摘する「暑さの質」の違い

発表会には、熱中症予防声かけプロジェクト実行委員長で救急専門医の三宅康史氏も登壇した。
三宅氏は、暑さ対策を考える上で重要なのは気温だけではなく「暑さの質」を理解することだと語る。
梅雨時は高湿度によって汗が蒸発しにくくなり、体温調節が難しくなる。一方で真夏は直射日光や路面からの照り返しによって体が直接熱を受ける。
三宅氏は梅雨を「鍋の湯気の中にいるような状態」、猛暑を「オーブンの中にいるような状態」と表現し、それぞれ異なる対策が必要だと説明した。
その上で、汗を効率よく乾かす素材や通気性の高いデザイン、UVカット機能などを取り入れることで、衣服そのものが熱中症対策の一助になると指摘した。

会場では、梅雨時のキッチンや猛暑日のドライブを想定したコーディネートも紹介された。エアリズムやUVカットアイテムなどを活用し、シーンごとに求められる機能を組み合わせることで快適性を高めるという提案が行われた。
小田急電鉄が駅係員の制服に導入

「適材適暑」の考え方は、日常生活だけでなく働く現場にも広がっている。
小田急電鉄では全線で約1,300人の駅係員が勤務しているが、従来の制服は耐久性を重視した厚手の生地が中心で、近年の猛暑下では着用時の負担が課題となっていた。
同社ではこれまでも空調服や冷却ベストの導入などを進めてきたが、さらなる暑さ対策として2025年からユニクロの「エアリズムコットンカノコポロシャツ」を夏制服として採用。2026年からはアルバイトスタッフにも対象を拡大した。

小田急電鉄 旅客営業部 課長の安藤美智子氏は、「涼しくて快適」「サラサラしていて肌触りが良い」「洗濯後すぐ乾く」「アイロンが不要」といった現場の声を紹介。係員の働きやすさ向上だけでなく、サービス品質の向上にもつながっていると説明した。
代々木八幡駅で見た“現場の暑さ対策”

発表会後には、小田急電鉄代々木八幡駅で実際にポロシャツを着用して勤務する駅係員の様子が公開された。
ホーム上では、実際の業務を行う係員の姿を見ることができた。駅係員はホーム巡回や接客など屋外での活動も多く、夏場は特に厳しい環境に置かれる職種の一つだ。

今回導入されたポロシャツは、従来の制服に比べて軽やかな印象で、動きやすさにも配慮されたデザインとなっている。
胸元には小田急のブランドマーク、袖には子育て応援キャラクター「もころん」があしらわれており、機能性と親しみやすさを両立していた。
まとめ

猛暑が当たり前になりつつある現在、暑さ対策は水分補給や冷房の活用だけではなく、衣服選びも重要な要素になっている。ユニクロが提唱する「適材適暑」は、暑さを一括りにせず、環境やシーンに応じて素材や機能を選ぶという新しい発想だ。
実際に小田急電鉄では駅係員の制服として導入されており、働く現場での負担軽減にも活用されている。今後さらに厳しさを増すと予想される日本の夏において、快適さと安全性を両立するための新たな選択肢として注目されそうだ。
ユニクロ公式サイト:https://www.uniqlo.com/jp/ja/
情報提供元: マガジンサミット