ストレスにも“良いストレス”と“悪いストレス”があるって知ってた?ストレスへの対処法や取りたい栄養素を紹介!
2025-04-22 17:24:18

温かく心地いい春の季節ですが、実は生活の変化が多い春はストレスが溜まりやすい季節でもあります。今回は春に気を付けたいストレスのことや、心を整えるための食事に関してお伝えしていきます。
そもそもストレスって何?
ストレスとは、外部からの刺激が体に与える反応の⼀連の流れを指します。外的刺激は「ストレッサー」と言い、それに対する⼼⾝の反応は「ストレス反応」と呼ばれます。
「ストレッサー」は⼤きく以下の4つに分類できます。
・物理的ストレッサー︓気温、騒⾳、空間の広さなど
・化学的ストレッサー︓有害物質、薬物、酸素の⽋乏など
・⽣理的ストレッサー︓病気、空腹、睡眠不⾜など
・⼼理、社会的ストレッサー︓仕事の問題、家庭問題、⼈間関係のトラブルなど
また、「ストレス反応」には以下の三段階があります。
・警告反応期︓ストレスを受けた後、⼀時的に体や⼼の状態が低下し、後に回復する段階
・抵抗期︓有害なストレスに対して、体の抵抗⼒や適応⼒が⾼まる段階
・疲憊期︓⻑期間のストレスによって、耐えられなくなり抵抗⼒が低下する段階
この疲弊した状態が⻑期間続くと、不眠症やうつ病などの精神的な疾患を引き起こしてしまいます。
良いストレスと悪いストレスがあるって本当?

実は全くストレスがない状態も良いとは限りません。適度なストレスは⼼⾝の適応能⼒を⾼め、成⻑をもたらします。また同じストレッサーであっても、人によって「良いストレス」「悪いストレス」どちらにもなり得る可能性があるため、⾃分が何にストレスを感じ、どのような状況に耐性を持っているのかを知ることも大切です。
・良いストレス(ユーストレス)
「適度なストレス」と⾔われ、個⼈の成⻑や、⽬標達成のために役⽴つストレスです。 例えば、新しいプロジェクトや⽬標に取り組む時に感じるストレスや、試験などで感じる緊張感は、⾏動を促進させ成果を上げるためのエネルギー源になります。
・悪いストレス(ディストレス)
「過剰なストレス」や「慢性的なストレス」とも呼ばれ、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。仕事を休めず常にプレッシャーを感じる環境や、職場や家庭での対⽴が続くなど、先の⾒えない、⾃分でコントロールできない問題などは精神的な問題につながる悪いストレスといわれています。
悪いストレスへの対策方法

ここでは悪いストレスへの対策方法を紹介します。
1.ストレスに気が付く
⾃分がどの位ストレスを感じているのかに気づけないことも多いのではないでしょうか。ストレスの兆候を早期に察知し、迅速に対処することが重要です。
【ストレスを感じているときに現れるストレスサイン】
参照:厚⽣労働省 こころの⽿ 「3ストレスへの気づき」(https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh003/)
・⼼のストレスサイン︓不安、緊張、イライラ、悲しみ、憂鬱感、無⼒感、無気⼒など
・体のストレスサイン︓⾷欲不振、痩せる、不眠、腹痛、頭痛、動悸、⾎圧上昇など
・⾏動のストレスサイン︓消極的になる、⼈との関わりを避ける、飲酒、喫煙の増加、落ち着きがなくなるなど
上記の症状が2週間以上続く場合は専⾨家に相談することをおすすめします。
2.睡眠
睡眠の乱れはストレスに対する抵抗⼒を弱める原因となります。⼗分な睡眠を確保し、睡眠の質を⾼めるため、毎⽇同じ時刻に寝る、寝室や寝具の環境を整える、昼間に適度に体を動かす等を⼼がけましょう。
3.運動
適度な運動はセロトニンやエンドルフィンなどの神経伝達物質の分泌を促し、安⼼感や快感をもたらすほか、交感神経が活性化され、ストレスに備える体の準備が整います。適度に交感神経が刺激されるとストレスホルモンのコルチゾール分泌が抑制され、リラックスしやすくなります。ただし、過度の運動や常に交感神経が⾼ぶる状態は逆にストレスを増加させる可能性があります。
4.⾷事
⼼⾝の健康にはバランスが取れた⾷事が重要です。特にビタミンやミネラルの不⾜、⽢いものや嗜好品の過剰摂取はストレス耐性を低下させます。ストレスがかかると体はエネルギーを必要とするため、栄養補給が⼤切です。また、近年では孤⾷や早⾷い、過⾷も問題になっています。
ストレスと栄養の関係性
今回は管理栄養⼠の望⽉恵理⼦先⽣にストレスに負けない体を作るために意識的に摂取したい栄養素についてお伺いしました。

株式会社Luce代表取締役/健康検定協会理事⻑ 望⽉理恵⼦⽒
栄養・美容学の分野で活躍。健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に⾷べてみた︕」など著書も多数発刊。
人間の体はストレスを受けるとコルチゾールというホルモンの分泌が増加し、ストレスに対抗しようとします。 しかし、分泌が⻑期間続くと⾎糖値の上昇や免疫機能の低下など健康に影響を与える恐れがあるため、分泌をコントロールすることが重要。このコントロールにビタミンやミネラルなどの栄養素が関与しています。
また、コルチゾールの分泌が増えると、精神の安定に重要な「セロトニン」の⽣成や働きに影響を与えることが知られています。セロトニンが不⾜すると、疲労感や不眠、うつ症状が現れることがあります。セロトニンの⽣成にはトリプトファンというアミノ酸が必要ですが、体内で作ることができないため⾷事から摂取する必要があります。
ストレスに対抗するための栄養素
・ビタミン B6
ビタミン B6には神経伝達物質の合成をサポートする役割があます。⽜⾁や豚⾁、鶏⾁、レバー、マグロなどの⿂の⾚⾝、ピーナッツなど、様々な⾷品に含まれていますが、⽔に溶けやすく光にも弱いため、できるだけ新鮮な⾷材から摂取することをおすすめします。
・カルシウム
カルシウムは⾻や⻭の健康を保つために重要なミネラル。出⾎や神経の興奮に関わっています。 乳製品や⼩⿂、海藻、野菜類に多く含まれており、吸収をサポートするビタミンDと⼀緒に摂取すると効率的です。⼀⽅でインスタント⾷品や加⼯⾷品、⾁類に多く含まれるリンは過剰に摂取するとカルシウムの吸収を妨げることがあるため注意が必要です。
・マグネシウム
マグネシウムは神経の調整を助け、ストレスに関わる重要なミネラル。不⾜すると⼼の安定が損なわれ、疲れやイライラ感が増すことがあります。ごま、⾖類、⼤⾖製品に豊富に含まれています。また、カルシウムの摂取が過剰になるとマグネシウムの排泄が増えるため、両者を適切な⽐率 (1:2)で摂取することが望ましいです。
・トリプトファン
トリプトファンはセロトニンやメラトニンといった成分を体内でつくる材料。⼼のバランスや睡眠リズムをサポートします。チーズやヨーグルトなどの乳製品、レバー、⼤⾖製品、ナッツ類に多く含まれており、ビタミンB6と⼀緒に摂取することでトリプトファンの働きがよりサポートされると⾔われています。
変化が多くストレスが溜まりやすい時期でもある春の季節。⼼を整える⾷事を心がけ健康に過ごしていきましょう。⼤塚製薬 栄養素カレッジでは栄養素についての正しい知識を発信しています。
⼤塚製薬 栄養素カレッジ URL: https://www.otsuka.co.jp/college
情報提供元: マガジンサミット