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女性のWell-beingを高めるきっかけに!「子育て世代・女性の幸福度向上策」シンポジウムを開催

2024-10-15 19:48:58

出産、育児、キャリアなど女性のライフスタイルは多様であり、また、ライフコースにおいて女性の健康課題は様々だ。加えて、情報社会における誤認識、不寛容により女性のWell‐Being 低下、子育てのしづらさ、経済損失の発生の可能性が指摘されている。

最新の調査結果から浮き彫りとなった課題を参加者と共有することに加えて、当事者だけでなく非当事者の個々の経験や考えを共有し、日本社会における女性のWell‐beingを自分事として広め、当事者の自律性、周囲の寛容性を高めるムーブメントのきっかけとなることを目指し「子育て世代・女性の幸福度向上策」シンポジウムが都内で開催された。

先ず、登壇したのは内閣府 SIP プログラムディレクター/筑波大学教授の久野譜也氏。現代日本における女性のWell-beingの現状と主な課題を説明した。

日本は世界で見ても一番、痩せている女性が多い国でもある。そして、20代〜40代の女性は子育て世代ということもあり、一番、運動できない時期で体力が低下している。その中でハードな仕事や家事、子育てに追われ、体は疲れやすく、さらにはメンタルに支障をきたすことがある。それにより女性が働けなくなることでの経済損失だけでなく、自殺や虐待なども発生し、社会に大きな影響を及ぼしている。

また、昨今ではPMSや月経関連の症状の悪化なども高くなっている結果がでている。それに対して女性の健康課題による、つらさを男性は過小評価している点もある。問題を解決していくには女性も男性も知識を取り入れ、一緒に解決していかないといけないと久野氏は語った。

月経など健康課題による生産性低下度合を女性は自分自身で5割前後と認識している。これは月に一回、仕事の効率などが半分になるということだ。これを知った中で、どのようなサポートや仕組みづくりをするのかが大切だと考えていると久野氏は言う。現代では働く女性も多く、女性の就労率は8割ほど。その中で大企業だけでなく中小企業含め社会全体で女性のサポート、対策を進めていくことが大事。しかし、今までは生理についてなど触れてはいけない内容という認識も多く、男性もどう対処していいのかわからないのが日本の社会の現状だ。

そのため、その認識から変えていくことも必要だと久野氏は説明する。先ずは社会全体が知ることから始まり、経営者の知識を増やし、女性・男性が納得する形の制度を整えていくことが大切。SIPはこれからもどんどん進んでいくので注目してくださいと説明をしめくくった。

続いて、妊婦・子育て期の女性の健康改善のためのDX伴走型支援の成果と課題に取り組んでいる筑波大学准教授 松島みどり氏が登壇。出産・子育てにおいての女性のサポートや現代における課題について話した。子育て支援をしているNPOの理事長が以前、子育ては筋トレみたいで、大変だけれど、そのストレスにより強くなっていくと話していた言葉が松島氏にも響いたと語る。

しかしこのストレスにより強くなるだけではなく、ストレスが強すぎて生きづらくなってしまう人がいるのも現状だ。私たちはその子育てという筋トレはよいものであるという認識の中で、子育ての楽しさを広めていくためにプロジェクトに取り組んでいると説明した。

その一環として、妊婦・子育て女性のハイブリッド型伴走支援の全国提供に取り組んでいる。「マムアップパーク」という名前をつけてプログラムを実施していて、オンラインと対面の2つを用いて、参加者に「からだを動かす」「人とつながる」「見て聞いて知る」という、この3つを伝え、行うことによってウェルビーイングを高めていきたいと言う。

「からだを動かす」ことは妊娠期・出産後も非常に重要。産後の回復が早くなり、鬱予防にもなることがわかってきている。「人とつながる」に関しては人々のつながりというのが心身の健康状態の向上になると、多くの研究からエビデンスが出ている。「見て聞いて知る」では産前・産後は健康意識が非常に高まる時期とも言われるので、この時期に必要な健康に関する知識を得ることで一生の健康にもつながる。

この取り組みの中で、心やからだの状態がよくなったという参加者の声も出ていて成果は出ているものの、このプログラムの認知率が低いことも課題である。また、運動のメリット・必要性を知らない人が多いこともわかった。また、産後の女性にとっては子育てや仕事と自分のための時間がつくれない傾向もあるので周囲のサポートも必要である。先ず参加してもらうという意味でも、プログラムを知ってもらうためには自治体にのみ頼らず、知ってもらう取り組みも行っていきたいと松島氏は語った。

このように日本社会における女性のWell‐beingを高めるために考察や調査、取り組みが行われている。シンポジウムやみんなで語る機会を経て、社会全体が先ずは知ることからスタート。一歩ずつ進んでいくことになるだろう。

情報提供元: マガジンサミット

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