【医師468名にアンケート】「医師の働き方改革」に4割が懸念ー理由のトップは「年収減少」
2024-03-04 12:00:30
事業場向け産業保健支援、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』の登録医師のうち468名に「医師の働き方改革」に関するアンケート調査を実施しました。
調査背景
2024年4月に施行となる「医師の働き方改革」によって、「医師の時間外労働規制」の運用が始まります。医療機関は時間外労働の上限を超えて労働させた場合、労働基準法違反として罰せられる可能性もあります。厚生労働省は、「医師の働き方改革」に関する特設サイトを2023年12月に公開し、働き方改革関連制度についての情報発信を行うなど、施行に向けての呼びかけが本格化しています。施行の日が目前に迫るなか、当事者となる医師にはどのような動きがでてきているのでしょうか。「年収確保」に向けた動向を調査しました。
調査結果のサマリー
■現在の働き方について
・2人に1人の医師が「常勤+非常勤」の働き方
■働き方改革の懸念・期待について
・「常勤+非常勤」の医師が「懸念」が強い傾向
・懸念していることのトップは「年収が減る」
■年収確保に向けての医師の動き
・トップ3に「投資など医業以外での収入を確保する」がランクイン
・半数以上が積極的にアルバイトを検討
現在の働き方について
2人に1人の医師が「常勤+非常勤」の働き方
医師の雇用形態は「常勤」「非常勤」の2パターンあります。それぞれを分ける要素はいくつかありますが、最も分かりやすいのは雇用契約です。「常勤」とは、勤務先の医療機関の正職員となる働き方を指し、一方の「非常勤」は、その医療機関の正職員とならず、契約した曜日や時間など限定した勤務をする働き方(アルバイトなど)を指します。また、「常勤」として働きながら、隙間時間などでアルバイトを行う「常勤+非常勤」という働き方もあります。
この3つの働き方のなかで、現在、最も多い医師の働き方が「常勤+非常勤」で、半数以上(51.3%)の医師がこの働き方をしています。次いで多いのが「常勤のみ」で26.7%となり、「非常勤のみ」の医師は22.0%という結果となりました。
「医師の働き方改革」への期待・懸念について
2.「常勤+非常勤」の医師が「懸念」が強い傾向
「医師の働き方改革」に対する期待と懸念について、「どちらともいえない」と回答した医師は48.1%「懸念の方が大きい」と回答した医師は43.2%、「期待の方が大きい」と回答した医師は8.8%という結果になりました。また、働き方別でみると「常勤のみ」「非常勤のみ」の医師は「どちらともいえない」という回答が最も多いなかで「常勤+非常勤」の医師は「懸念の方が大きい」が50.8%となり「どちらともいえない」を上回る結果となりました。
3.懸念していることのトップは「年収が減る」
具体的に懸念していることについて、「年収が減る」(204)が最も多く、次いで「アルバイト時間が制限される」(181)、「時間内に業務が終わらず、サービス残業等が増える」(109)が続く結果となりました。
■その他
・さまざまなことが自己研鑽に分類される懸念。(40代/小児科/非常勤のみ[フリーランス])
・勤務実態とかけ離れた宿日直許可。(40代/産婦人科/常勤+非常勤)
・医療の質の低下。(30代/泌尿器科/非常勤のみ[フリーランス])
トップ3に「投資など医業以外での収入を確保する」がランクイン
年収確保に向けて検討していることや既に実施していることについて、「常勤+非常勤」の医師は「宿日直許可のあるアルバイトを探す」(78)、「常勤」の医師は「転職(入社先が既に決まっている)・転職活動を進めている・転職を検討している」(32)、「非常勤」の医師は「投資など医業以外での収入を確保する」(24)が最も多い結果となりました。また、全ての働き方で「投資など医業以外での収入を確保する」がトップ3にランクインする結果となりました。
5.半数以上が積極的にアルバイトを検討
「医師の働き方改革」では、時間外・休日労働の上限規制が始まります。これによって、医師がアルバイトをする場合には、常勤先での労働時間とアルバイト先での労働時間を通算したうえで、時間外労働が自身の適用水準に応じて決められている上限時間を超えないように注意する必要があります。
このアルバイトについて、現在「常勤+非常勤」「常勤のみ」で働く医師の今後の意向は「条件が合うものがあれば積極的にアルバイトしたい」(55.1%)という回答が最も多い結果となり、半数以上の医師がアルバイトを積極的に検討していることがわかりました。
アンケート調査概要
・「医師の働き方改革」に関するアンケート
・調査対象:株式会社エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』に登録する会員医師
・調査日:2024年1月16日~1月23日
・調査方法:webアンケート
・有効回答数:468
※引用・転載時には「株式会社エムステージ」とクレジットを明記下さい
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情報提供元: マガジンサミット