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【新作レビュー】森山未來、初の海外出演作は実際の殺人事件から着想を得た全編カザフスタンロケ映画『オルジャスの白い馬』(明日公開)

2020-01-17 12:41:43

今回は、明日1月18日から公開の映画『オルジャスの白い馬』をご紹介!!

本作は、日本とカザフスタンとの合作&全編カザフスタンロケ。カザフスタンで実際に起こったギャングにより馬飼いの兄弟が殺害された事件から着想されています。が、ストーリーは、少年の旅を描いたヒューマンドラマです。

主演は、初の海外出演作となる森山未來。『アイカ』でカンヌ国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞したサマル・エスリャーモバとダブル主演。キャストもスタッフも日本人スタッフと海外スタッフが混在。邦画とは一味違う独特な作品が完成!!

のどかな風景が一変!!

タイトルのオルジャスとは、ほんさくの少年の名前。オルジャスの父は家畜を売る為、市場へ。母は畑仕事。オルジャスは母の手伝い。カザフスタンの大草原を背景に穏やかな日常。所が、突然、父親が通りがかりの男に殺されてしまいます。のどかな風景での急なサスペンス。

悲しみにくれる母。借金や村人たちの目を気にして、一家は引っ越す事に。そこへ現れる母と知人らしき馬飼いの男。彼を演じるのが、森山未來なんです。独特の味のある存在感で、カザフスタンという異国ともマッチ。違和感なしです。

馬に乗って引っ越し旅へ同行。その中で、馬飼い男とオルジャスの交流が描かれていきます。言葉少なにお互いに興味を持ち、認め合う2人のシーンが染みてきます。それでいて、クライマックスには、西部劇風味の「えっ?!」と言いたくなる急展開がお待ちかね。

“失われた希望をスクリーンで描きたかった”

監督・脚本は、ホラー映画『シグナル100』の竹葉リサと『春、一番最初に降る雨』のエルラン・ヌルムハンベトフの共同体制。「突然愛する人を奪われた家族が持つ虚無感、喪失の痛み、失われた希望をスクリーンで描きたかった」というのはエルラン監督の言葉。さらに、「この映画は、90年代を舞台としています。当時はソビエト連邦法改後の混乱した時期であり、人の命に価値はありませんでした。人々は飢え、お金のために人を殺し、多くの人が犯罪者になりました。(中略)主人公の少年の幸せで牧歌的な世界が、残酷な悪によって崩壊される、少年の純粋な心や無邪気さが、凶悪な現実と対峙し変化する様をカザフスタンが再生する姿に重ねたかったのです」との事。勿論、そんなバックボーンは知らなくても楽しめる作品なんですが、知っていると味わい深くなります。

映画『オルジャスの白い馬』は、明日18日より新宿シネマカリテほか全国ロードショーとなります。

家庭画報 2019年11月号 (2019年10月01日発売)
Fujisan.co.jpより

映画『オルジャスの白い馬』

出演:森山未來、サマル・イェスリャーモワ、マディ・メナイダロフ、ドゥリガ・アクモルダ

監督・脚本:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ/プロデューサー:市山尚三、木ノ内輝、キム・ユリア/撮影監督:アジズ・ジャンバキエフ

音楽:アクマラル・ジカエバ/編集:ヌルスルタン・ヌスカベコフ、リク・ケイアン/音響:アンドレイ・ヴラズネフ/美術:サーシャ・ゲイ

2019/日本・カザフスタン/カザフ語・ロシア語/81分/カラー/DCP/Dolby SRD(5.1ch)/シネスコ

原題:Horse Thieves/配給:エイベックス・ピクチャーズ/配給協力・宣伝:プレイタイム/制作:Tokyo New Cinema、KAZAKHFILM

©︎『オルジャスの白い馬』製作委員会

情報提供元: マガジンサミット

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