絶対にプレゼントしたくなる!?絵本界のカリスマ、荒井良二の3年ぶりの新作とは
2019-09-19 12:00:05
荒井良二。絵本作家である。1956年山形県生まれ。これまでに数々の絵本を手掛ける。どれも人気作だ。その人気の先にいるのは大人である。今の大人絵本ブームに一役も二役も買っている。
その実力のお墨付きはハンパない。2005年に児童文学賞の最高峰アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。国内でも絵本「あさになったので まどをあけますよ」(偕成社)で第59回産経児童出版文化賞大賞を受賞するなど、数々の賞を受賞するトップアーティストだ。「情熱大陸」(TBS系)、「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)にも、もちろん出演済みである。
昨年は、「山形ビエンナーレ」の芸術監督も担当している。
荒井の魅力は、とにもかくにも独創的で自由な「絵」である。書店でその表紙を見て、それだけで荒井の絵本を衝動買いする人も多いという。いわゆるCDのジャケである。ストーリーも大人向きだ。それゆえ、大人の支持者も多い。昨今の大人絵本ブームの牽引者であることは間違いない。
そんな荒井がおよそ3年ぶりに絵本を出すという。荒井ファン、大人絵本ファンに興味を持つなという方が無理かもしれない。
先日、J-WAVEの人気情報番組「GOOD NEIGHBORS」にもご出演。
その中で質問を受けていたのが、花火のシーン。花火というとバックは黒と決まっているが、荒井の場合は、そんなことは関係ない。鮮やかな黄色がバックに塗られている。荒井曰く、この花火は鑑賞の花火ではなく、今から始まる合図の花火であるという。是非、自身の目で実物を確認して頂きたい。
少々、ネタバレしてしまったが、その新作というのが、こちらだ。
「きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ」(著:荒井良二 出版社:NHK出版)
物語は、ある朝、ある少年が愛馬“あさやけ”に乗って街に出かけるところから始まる。その道中で出会う数々のドラマ、幸せの瞬間が魅力的に描かれている。
世の中には「あめでとう」がたくさんある。「不安なニュースばっかりだけど、人生捨てたもんじゃないよ」と色彩豊かな絵と詩人顔負けのテキストが語りかけてくる。疲れ気味の大人の気持ちを容赦なく揺り動かす。
いつも職場で疲れた顔をしている同僚にプレゼントするには、間違いナッシングな絵本である。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)
情報提供元: マガジンサミット