『レヴェナント 蘇りし者』を観る前に外せない映画!
2016-04-27 19:26:46
レヴェナント 蘇りし者
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『レヴェナント 蘇りし者』を観る前にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督およびエマニュエル・ルベツキ撮影監督コンビの前作として『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は絶対に観ておこう!
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
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本作は、かつてヒーロー映画『バードマン』で名を馳せたものの、現在は落ち目となった俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)が、破綻しかけた人生の逆転を賭けてブロードウェイの舞台に挑みながら、もがく姿を描いた人間ドラマだ。
およそ2時間の作品だが、1カット長回し(風)で撮られているのが非常にユニークである(実際にはいくつかのカットを巧妙に組み合わせて、1カット風に見せているのだが)。
しかし、このアプローチには見かけ以上の意味がある。本作は、ともすれば、演劇をモチーフにした上で、演劇の芸術性と比較して、映画を自虐的に扱っているようにも見えるのだが、実際は、演劇では決して実現できない、カメラワークや編集によって生み出された映像の魔法を、1ショット長回しという演劇的連続性の中で見せようとしている点が、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の、映画に対する矜持を感じさせている。
それに加えて、現在のハリウッドにおけるアメコミ映画大量生産に対する手厳しい批評も感じさせるのは、アメコミ映画に出演しているマイケル・キートン、エマ・ストーン、エドワード・ノートンに、演劇をモチーフとした本作に出演させている点でも垣間見え、実に批評的な一本といえる。
解説者 中井圭
映画解説者。WOWOW「映画工房」「WOWOWぷらすと」TOKYO FM「LOVE CONNECTION」「生シネ」「映画の天才」「ナカメキノ」「映活」「偶然の学校」「観ずに死ねるか」シリーズ「京都国際学生映画祭2014」最終審査員、ほか映画トークイベントなど
情報提供元: ESTART編集部