杏、フィンランドで経験した実体験…「なんとなく森が気持ちいい」の秘密を解明
2025-08-01 20:38:50

王子ホールディングスは7月31日、東京・代官山にて、俳優の杏さんをゲストに迎えたスペシャルトークイベント「森する時間~森に惹かれる“なんとなく”を解明~」を開催。杏さんが実体験などを語った同イベントのリポートをお届けします。
本イベントは、人気キャラクター「ムーミン」とコラボレーションし、森が暮らしにもたらす豊かさを発信する「WITH FOREST PROJECT」の一環として、森の価値を見つめなおす機会の創出を目的に実施。多くの人が感じる「森に“なんとなく”惹かれる感覚」を言葉にし、自然と人の結びつきをアカデミックな視点から紐解きながら森の価値を見つめ直す時間をテーマに進行しました。
俳優の杏さん、東京大学大学院 農学生命科学研究科の曽我昌史准教授がスペシャルゲストとして登壇。人が感覚として抱く「森の心地よさ」の正体に迫りながら、自然と日本人との距離感にまつわるデータや自然を欲する瞬間の源についての科学的な解説を経て、驚きと気づきが生まれた場となりました。
■日仏の二拠点生活で今年はフィンランドでも過ごした杏さんの実体験
今年フィンランドで3カ月過ごしたという杏さんは、「フィンランドは森や湖がすごく多くて、私の過ごした街も湖の真ん中にあったり、少し行けば森の中だったので、歩くだけで自然を感じられました。森の中にいるときは、無条件で気持ちが良いなって。言葉にできないのですが、なんとなくだけどすごく心地よいっていう気持ちになりますね」 と、実際の経験からの言葉を語りました。

この「なんとなく」という感覚について、曽我准教授は「実はきちんと心地よさの理由がある」と解説。「皆さんの心と身体は自然の中にいると色々な反応を起こしますが、例えばストレスがなくなる、ポジティブな感情が増える、集中力が高まるなど、本当に多岐にわたる反応が感じられます。五感を通して自然を体験することで、私たちの心と身体のバランスが整ってきます」 と、心地よさのメカニズムを分かりやすく説明しました。
■自然との触れ合いが少ない日本……幼少期の自然体験が重要
次に、曽我准教授は23カ国を対象とした調査結果を紹介し、「週1回以上自然と触れあう日本人の割合は21%で、調査国の中で最下位」という衝撃的なデータが示されました。
この結果に杏さんは「確かに、私は犬を散歩させたり子供を公園に連れて行ったりしていたので自然と触れていましたが、それがなかったら仕事と現場の往復だけだとちょっとカウントができないなと思いました。日常では難しいですよね」と共感の声を上げました。

この“自然離れ”の背景について、曽我准教授は「子どもの頃の自然体験はその人の自然に対するポジティブな感情・関心とか、自然と触れ合いたいという意欲形成においてすごく大事だと思います」と、幼少期体験の重要性を指摘。杏さんは自身の経験を振り返り、「ヨーロッパ諸国はバカンスがあって、2~3週間、自然があるところに行くチャンスがあります。日本はこれだけ森林大国ですが、やはり時間を作るのが難しいってところになるのかな」 と深く頷きました。
また、王子ホールディングスの担当者から、森を知る、森を好きになる、そして守りたくなるポシティブな循環のきっかけを作りだすのが「ムーミン」とのコラボレーションの意義であることを伝えると、杏さんは「人が地球上で活躍している以上は恩恵を誰もが受けているので、私たちは責任をもって森を残していくことが大切ですね」と話しました。
■「自然を感じたい」と思う時、それは“本能的なサイン”
MCから「“なんとなく自然を感じたい”と思うのは、どんな時ですか?」と問いかけられると 、杏さんは「やはりリラックスしたい時とか、落ち着きたいなみたいな時ですね」と答えました。
これを受け、曽我准教授は「私たちの心と身体が、自然の中にいると心地よいと思う証拠ですよね。これまでは自然と出会うと気持ち良いと漠然と言われてきましたが、私たちの心と身体の深いところに根ざした“本能的なサイン”と言えるのだと思います」と、これまでの議論を締めくくりました。
なお、イベント当日の様子は後日、杏さんの公式YouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO(https://www.youtube.com/@annetokyo)」での公開が予定されています。
情報提供元: マガジンサミット