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乗り物酔いが心配… でも薬はイヤ! そんな時の予防法6選

2017-05-02 18:30:48


執筆:青井 梨花(助産師・看護師・タッチケアトレーナー)
医療監修:株式会社とらうべ
車やバス、電車、船、飛行機など、乗り物に乗ったときの揺れが原因となって、一過性に気分が悪くなり、吐き気やめまいなどの症状があらわれる「乗り物酔い」。
医学的には「動揺病」といいます。
乗り物酔いに対して、いわゆる「酔い止め」の薬を使用すること以外に、なにか予防する方法はあるのでしょうか?
「酔い止めの薬、うっかり忘れた!」というときなど、知っておくと安心な情報をお届けします。

そもそもなぜ乗り物酔いは起こる?


ヒトのからだには、平衡機能といって、倒れないよう姿勢をバランス良く保つための調整機能が備わっています。
ふだん、その役割を担っているのは、耳の中の「内耳(ないじ)」という場所にある「前庭(ぜんてい)」と「半器官(はんきかん)」です。
また、目で実際の位置を確認し、筋肉がその情報に応じてはたらくことで、安定した姿勢を保持しています。
乗り物酔いは、乗り物によるスピードの変化や、前後・左右・上下など不規則で不安定に揺れるくり返しの刺激が、内耳の器官を刺激することで起こります。
内耳の刺激情報を脳へと伝達するのに、いつもと違った慣れない刺激がつづくと、脳は情報過多となります。
すると、脳が混乱して自律神経に異常な信号を送ってしまいます。
その結果、自律神経のはたらきが乱れてしまい、生あくびや胃の違和感などから、徐々に気分が悪くなり、冷や汗、顔面蒼白、吐き気や嘔吐など、乗り物酔いの症状が出現するのです。
また、「酔うかもしれない」といった不安感が発症に関係する場合もあるともいわれます。

薬を飲まずに乗り物酔いを防ぐ方法、6選!


乗り物酔いの予防法や対処法でポピュラーなのは、いわゆる「酔い止めの薬」を飲む、という方法ですが、その他の方法をいくつかご紹介しましょう。

その1:睡眠をしっかりとって、体調を整えておく


睡眠不足、疲労蓄積などの状態のときは、とくに自律神経が乱れやすく、酔いやすいといわれます。

その2:身体をしめつけないような、ゆったりとしたデザインの服装にする


とくに座ったとき、お腹を圧迫するような服装を避けると楽に過ごせますね。
乗車時は首元もいっしょにゆるめておきましょう。

その3:乗る前の暴飲暴食は避ける。また、満腹時、空腹時は避ける


お腹がすいたときにつまめるものを用意しておくと安心です。

その4:乗り物の中で、本を読んだりスマホやゲームはしない


1点を集中してみていると、揺れによって文字や画面がちらつくので、酔う要因となります。

その5:あごを適度にひいて、進行方向を見るようにする


頭部はあまり動かさないようにし、進行方向を見るのがポイント。
よく「運転している人は酔わない」といわれるのは、進行方向を意識すると、自然に身体がそれに対応するからです。
たとえば、カーブで傾くときには、あわせて身体を傾けて、目・耳・筋肉の動きを一致させるようにするとよいでしょう。
もし、前方が見にくい時は、遠くの景色をぼんやり眺めることも酔いを防ぐポイントです。もちろん、進行方向と逆になる後ろ向きの座席は避けましょう。
また、バスなら車輪に近いところは避けて前方に座る、船は中央部に座るなど、なるべく揺れが少ない席を選んで座りましょう。

その6:乗り物内の換気をよくし、ニオイがこもらないようにする


ガソリンやタバコなどの不快な臭いは、酔いを助長します。
また、ときにお弁当など食べ物のニオイなども、酔いのきっかけとなることがあります。車内は常に換気をするよう心がけましょう。

お子さま向けの対処法


子どもの場合には、日頃からブランコやシーソー、鉄棒やでんぐり返しなどのマット運動など、からだの前後・左右・回転など、さまざまな方向の動きに慣れるような運動をおこなうことも予防対策のひとつといわれます。

それでも乗り物酔いが起きた!そんなときの対処法


酔ってしまったときのもっとも良い方法は、乗り物から降りること。
すぐに降りられないような状況の時は、換気をよくし、できれば横になってベルトなど衣服をゆるめ楽にし、ゆっくり腹式呼吸しながら、目をつむりましょう。
そのまま眠ってしまうというのもひとつです。
ペパーミントなど、すっきりするような匂いは、吐き気などの症状をやわらげることもありますから、携帯しておくと安心です。
このような対処法でまもなく回復してくるでしょう。
<執筆者プロフィール>
青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験があるベテラン助産師。
現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。プライベートでは一児の母。
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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