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どう選ぶ? 電動歯ブラシ・種類と効果の違い

2017-04-05 21:30:14


執筆:影向 美樹(歯科医師)

電動歯ブラシが日本に普及しはじめてから20年以上が経過し、種類や機能も以前とは比べ物にならないぐらい充実しています。
今では100円ショップで手に入るものから、2万円以上のものまで価格にも幅があり、実際に選ぶときに「どの電動歯ブラシがいいの?」と悩まれる方も多いでしょう。
電動歯ブラシと一言で言っても、近年では単に『電動』だけにとどまらず、『音波』『超音波』と振動数によって効果に大きな違いがあります。
今回は市場で販売されている電動歯ブラシの種類やそれぞれの機能、効果について詳しくご紹介したいと思います。

電動歯ブラシの種類


現在販売されている電動歯ブラシは、その機能によって電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、超音波歯ブラシの3種類に分かれます。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

電動歯ブラシ


電動歯ブラシは、歯ブラシのヘッド(ブラシ部分)が電動で動く歯ブラシです。
その動き方も、上下運動、往復運動、回転運動、またいずれかを合わせたものなど様々です。
価格は100円ショップで販売されているものから、『Oral B(オーラル ビー、ブラウン)』(※)など2万円近くするものまであります。
しかし安いものは振動や力が強すぎて、歯へのダメージが大きくあまりお勧めできません。
5,000円以上のものであれば、従来の手の動きを電動で効率よく行え、また万が一力が強く入りすぎても、センサーが反応するなどの機能も充実しているため、初めての方でも安心して使えます。

音波歯ブラシ


音波歯ブラシは、電動歯ブラシの動きに、さらに音波振動も加わった歯ブラシです。
代表的な商品に『Doltz(ドルツ、パナソニック)』(※)などがあります。
音波とは人の耳に聞こえる振動(200~300Hz)です。
この音波振動は、口の中にある唾液や水で高速水流を作り出し汚れを除去します。
これによって歯ブラシの先が接していない範囲の2mm以内まで汚れを落とすことが可能なのです。
またこの振動は細菌の塊を覆う強い膜(バイオフィルム)を除去することもでき、さらに効率よくプラーク(歯垢)を落とすことができます。
価格も3,000円台からありますが、高額なものほど、より機能が充実しています。

超音波歯ブラシ


超音波歯ブラシは歯ブラシのヘッド(ブラシ部分)から超音波振動を発生させる歯ブラシです。
代表的な商品は『Sonicare(ソニッケアー、フィリップス)』(※)があります。
超音波とは人の耳には聞こえない振動(160万~200万HZ)です。
超音波歯ブラシの最大の特徴は洗浄力の高さです。音波歯ブラシでは破壊できなかった不溶性グルカン(細菌同士がくっつきあう成分)を超音波歯ブラシでは破壊できるため、電動歯ブラシの中では1番プラーク(歯垢)の除去効果が高いです。
価格は販売店にもよるものの、概ね15,000円~と他の電動ブラシに比べて高価です。

電動歯ブラシは価格が高いものほど性能に優れている


電動歯ブラシは手動の歯ブラシと比較して、効率良く汚れを落とすことができるため、歯磨きの時間を短縮できるメリットがあります。
しかしその機能はやはり価格の高いものほど優れており、あまり安価なものだと手動と比べて汚れが落ちないばかりか、かえって歯や歯茎を傷つける可能性があります。
現在はインターネットなどで商品を安く買える時代ですが、電動歯ブラシを購入する際は大手メーカーの商品を選ぶ方がメリットは大きいでしょう。
また電動歯ブラシの場合も3か月に1度はブラシの交換が必要です。
購入を検討する際には、そのあたりのランニングコストも考えたいですね。

歯間ブラシも忘れずに


電動歯ブラシは従来の手動の動きを電動で行えるほかにも、振動の種類によって手動では落とせないような汚れを効率的に落とすことができるようになっています。
ただ電動にしろ、手動にしろ、ブラシを歯にきちんと当てなければ汚れは落ちません。
また電動歯ブラシも歯と歯の間は十分に磨けないため、歯間ブラシやデンタルフロスの使用は必要です。
(※商品は2017年4月現在のものです)
<執筆者プロフィール>
影向 美樹(ようこう・みき)
歯科医師。歯科医師免許取得後、横浜と京都の歯科医院にて勤務を経て、現在は医療系ライターとして活動中

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情報提供元: mocosuku

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