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別の病気が原因で起こる「二次性頭痛」をご存じですか?

2017-03-30 21:30:07


執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

「二次性頭痛」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
頭痛は、その種類や原因別に分類がされていて、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。
この記事では、「二次性頭痛」について詳しくご説明いたします。

「二次性頭痛」は普通の頭痛とどう違う?


一般的に、「“頭痛もち”で頭が痛い」という場合、「一次性頭痛」のことがほとんどです。
しかし、「いつもの頭痛とは様子が違う」「今までにないほどの痛み」などの場合には、「二次性頭痛」を疑う必要があります。
この2つは、『国際頭痛分類』によって種類や原因別に分類されています。
まず「一次性頭痛」とは、病気の正体として片頭痛や緊張性頭痛、群発性頭痛などがあり、痛みによって生活の質に影響することから治療が必要とされます。
一方、「二次性頭痛」は頭痛自体が病気の正体なのではなく、頭痛以外の病気が原因で起こるものです。
ですから、痛みの原因になっている病気を見つけ、その病気に特化した治療をしなければ頭痛は良くなりません。頭痛の原因となる病気は、放っておくと命にかかわるような場合もあります。

二次性頭痛の正体は?



ここで、二次性頭痛を引き起こす可能性のある病気(状態)をいくつか取り上げ、簡単に説明します。

くも膜下出血


くも膜という脳を包んでいる膜の下で出血が起こる病気。
多くは脳の動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が破裂して起こる。

脳腫瘍(のうしゅよう)


脳にできる腫瘍のこと。

頭蓋内血腫(ずがいないけっしゅ)


事故など外傷(ケガ)の衝撃で、脳の中や脳と骨との間などに血液がたまった状態。

髄膜炎(ずいまくえん)


脳を包んでいる膜である髄膜(ずいまく)に、ウイルスや細菌などが感染しておこる炎症のこと。

薬物乱用頭痛


片頭痛や緊張型頭痛があり、対処のための鎮痛剤を過剰に使用することで痛みに対して敏感になることがある。
頭痛がある人にとって、適切でない鎮痛剤の使用がさらなる頭痛の引き金となっている状態。

こんなときには要注意!「二次性頭痛」に気づくためには?


二次性頭痛は頭痛以外に病気が隠れているため、根本となる病気の治療をしなければいけません。
その病気を放っておくと、全身や命に影響する場合があります。
以下のようなときには二次性頭痛の可能性があります。とくに、命に関わるような病状でないかどうかを慎重に診てもらう必要があります。

1. 突然の頭痛
2. 今まで経験したことがない頭痛
3. いつもと様子の異なる頭痛
4. 頻度と程度が増していく頭痛
5. 50歳以降に初発の頭痛
6. 神経脱落症状を有する頭痛
7. 癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛
8. 精神症状を有する患者の頭痛
9. 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛である

(引用:http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/1/1-2.htm:一次性頭痛と二次性頭痛はどう鑑別するか」より)

上記の言葉の意味をいくつか解説します。
6の「神経脱落症状」とは、うまく言葉を話せない、しびれて物がうまくつかめないなどといった麻痺や、うまく歩けない、見えにくくなるなどの症状のことです。
8の「精神症状」は、会話が成立しない支離滅裂状態などのことです。
9の「項部硬直・髄膜刺激症状」は、頭痛に加えて吐き気があることや、実際におう吐してしまうこと、首を前に倒そうと思ってもうまく曲がらないといった、首の後ろ側が硬直した状態のことです。

受診先や相談はどこへ?


このように、急な頭痛やいつもの頭痛とは違う痛み方であるときには「二次性頭痛」の可能性があり、注意が必要です。
受診は、持病がありかかりつけ医へ相談できる場合には主治医へ相談すると良いでしょう。
もし、かかりつけ医師へ相談できない時間帯や急を要するような症状のときには、神経内科や脳神経外科への受診をおすすめします。
【参考】
「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」(http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/001-073_1.pdf)
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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