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見た目の悪さだけじゃない!「歯並びの悪さ」について

2017-03-28 21:30:52


執筆:影向 美樹(歯科医師)
歯並びに関する悩みと言えば「見た目の悪さ」が多いです。
しかし歯並びは見た目以外にも、体に様々な影響を与えます。例えば「原因不明の頭痛や肩こりが歯科治療のあと改善した」というのはよく聞かれる話です。
また反対に見た目を良くするために矯正治療を行ったのに、治療後に今まで感じなかった不快症状に悩まされるケースもあります。
今回は歯並びの悪さが体に及ぼす様々な影響についてご紹介したいと思います。

歯並びが体に与える影響


その1:見た目が悪い


歯並びの悪い人の悩みの1番は見た目の悪さです。
近年では審美歯科の普及によって、矯正などを含めた審美治療に人気が高まっています。
しかし見た目ばかりを重視するあまり、肝心な噛み合わせをおろそかにする治療も多く見られます。
そのため安易に審美治療を受けたことで、他の不快症状に悩まされるケースも増えているので注意が必要です。

その2:虫歯、歯周病になりやすい


歯並びが悪いと自身ではうまく歯磨きができません。それによって汚れが溜まりやすい部分は虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯並びの悪い人は定期的な歯科医院でのクリーニングが必須です。

その3:胃腸障害


歯の重要な働きは、食べ物をかみ砕くことです。歯並びが悪いことで噛む力が弱くなると、この働きが低下し、胃腸に大きな負担をかけてしまいます。

その4:原因不明の頭痛や肩こり


歯並びが悪いことは見た目を悪くするほかに、噛み合わせも悪くします。噛み合わせが悪いと顎の周りに余計な負担をかける場合があります。
例えば首の後ろあたりの筋肉に負担がかかれば、頭痛や首のこりを引き起こします。
また噛みやすい歯ばかりで噛むことで、筋肉のバランスが悪くなり、頭の中心軸がずれてしまいます。
これが長引くと背中の中心軸もずれていき、肩こりや腰痛を引き起こします。

歯並びが悪くなる原因


歯並びが悪くなる原因は様々あります。
遺伝的なものや骨格的な問題は自身で対処できませんが、その他の原因の中には自分で未然に予防できるものもあるので、まずは歯並びが悪くなる原因を知ることも大切です。

その1:歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪い


歯並びが悪くなる原因で多いのが、歯の大きさと顎の大きさのアンバランスです。
これは遺伝的な要素が大きいため、自分で対処するのは難しくなります。
子供の場合、夫婦や祖父母などの中に歯並びの悪い人がいるケースでは注意が必要です。
そのような場合は早めに歯科で相談しておくと、実際に矯正が必要になっても矯正期間を短縮できたり、費用を抑えられるなどのメリットがあります。

その2:虫歯や歯周病などの歯科疾患


1本の歯は、それぞれに隣接する歯や噛み合わす歯から受ける力のバランスでその場所に存在しています。
大きな虫歯によって歯の形が変化すると、その力のバランスが崩れます。
同様に歯周病によって歯を支える骨が弱くなれば、そのバランスが変化します。
このように力のバランスが崩壊すると健康な歯の位置が変わり、その結果歯並びが悪くなることがあります。

その3:親知らず


成人の歯の本数は32本ですが、現代人は親知らずがまっすぐに生えることはまれで、多くの人が28本までとなっています。
しかし生えていない親知らずは骨の中に埋まったまま動かないわけではありません。
実感することはなくても親知らずは少しずつ動いていて、私たちの歯並びに影響をもたらします。

気になるときはまず受診を


歯並びは見た目の悪さばかりではなく、噛み合わせの悪さから胃腸障害や原因不明の頭痛や肩こり、腰痛なども引き起こします。
歯並びの悪さが骨格的な原因によるものである場合は、矯正治療でしか改善できないこともあります。
しかし虫歯や歯周病、親知らずなどによる歯並びの悪さは自身で未然に防ぐことができます。
思い当たる方は歯科医院で1度相談してみましょう。

<執筆者プロフィール>
影向 美樹(ようこう・みき)
歯科医師。歯科医師免許取得後、横浜と京都の歯科医院にて勤務を経て、現在は医療系ライターとして活動中

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情報提供元: mocosuku

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