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歯医者さんに聞きました「自分の口臭、どうすればわかる?」

2017-03-08 21:30:48


執筆:影向 美樹(歯科医師)
他人の口臭が気になると、「なぜこの人は臭いに気づかないのか?」と疑問に思います。
しかし人は自分の口臭を自分で感じることはできません。
ただ誰しも少なからず口臭はあり、その臭いが強くなるタイミングがあります。そのタイミングさえつかんでおけば、口臭を未然に防ぐことも可能です。
今回は「口臭に気を付けるタイミング」や予防法などについてご紹介していきましょう。

自分の臭いは自分ではわからない


残念なことに自分の臭いを自分で感じることはできません。それは自分の臭いを嗅ぎすぎて人間の嗅覚が麻痺しているからです。
わかりやすい例を挙げましょう。
他人の家を訪ねたときに、その家の独特な臭いを感じることは多いですが、自分の家に帰ったときに臭いを感じることはありませんよね。
これが嗅覚の麻痺です。
自身の口臭に問題がないかどうかを判断するためには、やはり自分以外の人に指摘してもらうのが1番確実です。

口臭を気にするタイミング


自分で口臭を確認するすべはありませんが、口の中の感覚で口臭を注意できるタイミングはあります。
また口臭は1日のリズムや体調などによって強くなることも知っておけば、さらに予防することができます。

1.口の中がやたら粘つく時


朝目覚めたとき、口の中が粘ついて不快感をおぼえる方も多いと思います。これは就寝中に唾液の量が減ることによって、細菌が増殖することが原因です。
このような粘つきや不快感を覚えるタイミングでは、口臭が強くなっていることがあります。その時は歯を磨く、うがいをするなどして口臭対策をしましょう。
またこの粘つきや不快感が日中も常に続く方は、歯磨きが不十分だったり、歯石が付いている可能性もあります。
このような場合は歯科医院で専門的なクリーニングを受けないと、口臭が改善されないことがあるので注意が必要です。

2.口の中が乾燥するとき


口の中が乾燥すると、口臭は強くなります。また1日を通して口の中が乾燥しやすいタイミングがあります。
具体的には以下の状況です。
・起床時
・空腹時
・緊張している時
・疲労が溜まってくる夕方

また女性は生理前や生理中に唾液の量が少なくなるため、口臭が強くなりやすいです。
このように口の中が乾燥している時は、こまめに水分を取ることで口臭を抑えることができます。
ただし、コーヒーや紅茶などカフェインを含むものや、ジュースなどの糖分が含まれるものは、かえって口臭を強くする原因となります。
口臭を未然に防ぐ目的においては、ミネラルウォーターなどの水が1番効果的です。

歯ブラシや歯間ブラシの臭いを嗅いでみる


先に自分の口臭は自分ではわからないと述べましたが、じつは1つだけ方法があります。
それは歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの臭いを使用してすぐに嗅ぐ方法です。
その際には歯ブラシに歯磨き粉をつけたり、香りのついたデンタルフロスを使用しないこと。
何も臭いがついていないことを確認したうえで、使用した歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを嗅いでみてください。
この時食べカスの臭いはあまり気にしなくてもよいです。しかし腐敗臭(硫黄の臭い、卵の腐ったような臭い)を感じれば、それは他人に不快な口臭を発している可能性があります。
この腐敗臭の原因は歯周病菌で、改善するためには歯科医院での治療が必要かもしれません。
ただこの方法で「臭いを感じないから歯周病ではない」とは判断できません。あくまでも1つの目安ですので、注意しましょう。

自分の口臭、確実に知るには…


自分の口臭を自分で確認する明確な方法はありません。
しかし口臭があるかもしれないタイミングを自分で感じることはでき、それを知ることで口臭を未然に防ぐことは可能です。
ただ、本当に自分の口臭が気になるようであれば、信頼できる人に思い切って確認してもらうことが確実な方法だと言えるでしょう。
<執筆者プロフィール>
影向 美樹(ようこう・みき)
歯科医師。歯科医師免許取得後、横浜と京都の歯科医院にて勤務。現在は医療系ライターとして活動中

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情報提供元: mocosuku

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