海と山の幸の魅力に溢れた岩手県産の食材を使った一流シェフ監修、いわてローカルガストロノミーBOX発売に向けてシェフと食の専門家が集う
2021-09-22 13:45:46
株式会社びゅうトラベルサービスより岩手県の素晴らしさ、産物の魅力を伝えるべく、岩手県の食材を使った自宅で食べられるいわてローカルガストロノミーBOX(約1万円、2~3人分)が12月に通販サイト「JRE MALL」で発売予定だ。更には料理に使われた産地を実際に訪れるツアーなどを開催することで永続的な地域との繋がりやリピーターを増やそうとも考えている。
そこでBOXに入る料理をブラッシュアップすべくソムリエや料理家など食の専門家6名をゲストに迎え、いわてローカルガストロノミーBOXの料理を考案する鹿澤シェフと意見交換を行うイベントが新たな食の情報発信拠点、新大久保「K,D,C,,,」で行われた。岩手県は日本で最も古い地層の一つである北上山地を持ち、同じ野菜でも独特の味わいが感じられると評価されるほど食の可能性を秘めた県でもある。
また、海も世界三大漁場に数えられるなど新鮮な魚介類が豊富で牡蠣やワカメ、帆立などの養殖も盛んな食の魅力溢れる県だ。そんな中、八幡平ガストロノミーBOXの料理の考案に岩手県出身で自身も岩手県盛岡にレストラン「アルフォルノ」を持つ鹿澤靖幸シェフが抜擢された。
鹿澤氏は岩手県食のプロフェッショナルチームアドバイザーや三陸国際ガストロノミー会議実行委員など岩手の魅力を発信する事業にも積極的に参加。今回の八幡平ガストロノミーBOXで岩手の魅力を県外に発信するだけでなく、岩手の人たちにも地域の魅力を再確認してもらいたいと話す。
イベントではいわてローカルガストロミーBOXに入る予定の料理が2品用意された。料理を考える中で大変だったことを聞くと普段はレストランで、できたてを提供している中、今回は冷凍になるためBOXに入れた時にどうなるのか考えるのが大変だったと鹿澤シェフは話す。そして今回のブラッシュアップで更に改良が加えられる予定だ。料理は冷凍でパッキングされて送られてくるので家庭で盛り付けるだけで食べられる。しかしながら今回、自分の手で仕上げる最後の一手間が参加している気持ちになれるとの意見も食の専門家からあったので一手間加える形で届く可能性もある。
先ず登場した豪華な見た目の料理名は「ジオラマ」。三陸の景色を三陸の食材で表現した一皿となる。じっくりとプレゼした養殖の鮑をカリフラワーのムースと合わせ、鮑の肝のパウダー、新鮮な雲丹を焼いた焼き雲丹、八幡平マッシュルームのデュクセルと共に味わう。鮑は岩手の昆布と日本酒で蒸しあげ、使用している海藻も岩手県産となっている。
今回は試食イベントということで料理に合う岩手県産のワインも用意された。「ジオラマ」に合わせるワインとしては白ワインで陸前高田市神田葡萄園でつくられたアルバリーニョ2020。スッキリとした日本酒のような味わいで牡蠣などの日本の海産物にもよく合うワインだ。
「ジオラマ」は鮑の食感がカリフラワーのクリーミーなムースにも合い、塩味もある一品でこのワインのペアリングにぴったりかと思いきや、食の専門家の1人、ソムリエである成澤氏よりこの料理なら日本酒が合い、ワインに合わせると考えるとフルーツなどを少し使って酸味を出してみてはどうかというアドバイスも送られた。
2品目は料理名「塩の道」。栄養価が高いほろほろ鳥の内臓や胸肉、手羽など、切り方を変えてファルス(ピーマンの肉詰めのような野菜に肉類などを詰めたフランス料理の調理法)にしたのち、ほろほろ鳥の皮で巻いてゆっくりと火を入れた一品だ。ほろほろ鳥の味わいを感じてもらうために塩だけのシンプルな味付けでソースとして添えているのが三陸の名産マツモ。焼き上げてほろほろ鳥のブイヨンで合わせている。岩手県にある石黒農場のほろほろ鳥は清潔な鶏舎で岩手の雑穀を食べながら育っている美味しい鳥で有名レストランはじめ全国のレストランで愛されている。
>p>ペアリングとして用意された赤ワインは花巻市高橋葡萄園でつくられたツヴァイゲルト2020。甘味とチョコレートのような香りが広がるワインだ。この料理を食べての食の専門家の意見としてはほろほろ鳥の旨味がしっかりしていて臭みもなく美味しいものの、ソースをつけるとほろほろ鳥の香ばしさが半減するなど少し合わないような感じもするのでスパイスを加える等、ソースに更なる工夫をするといいのではとの意見があった。ただ、ほろほろ鳥の料理は家庭ではなかなか味わえないためBOXにピッタリだという声も上がった。
このように、まだ試作段階ではあるものの、食の専門家の意見を聞きながら更なる上質ないわてローカルガストロノミーBOXが誕生しそうだ。そしてBOXで岩手県の食や生産地のストーリーを伝え、ツアーで原産地に実際に赴いてもらうなどして、岩手県の食を知ってもらえるきっかけとなり、単発で終わるのではなく継続的な仕組みづくりに取り組みたいと意見会によりゴールが明確になったようだ。
情報提供元: マガジンサミット