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【AKIRA】実写版映画がついに始動する!「でもAKIRAってどんな話!?」

2019-05-31 19:00:27

1980年代にブームを呼んだ大友克洋のSF漫画「AKIRA」が、ハリウッドで実写映画化されることが明らかとなった。全米公開日は2021年5月21日としている。

プロデューサーは映画化権を所持する会社の設立者であるレオナルド・ディカプリオ、監督はタイカ・ワイティティ(「マイティ・ソー バトルロイヤル」2017年、等)。

ロケ地はカルフォルニア州。これは、映画&テレビ税額控除プログラム2.0により185万ドル(約2億6000万円)の税額控除を受けることになったためで、200人以上のクルーと5000人以上のスタッフを雇用して約75日間かけて撮影が行われる予定とのこと。クランクインは夏頃になる。

漫画の時代設定は2019年だったが、今回の映画は2060年の東京が舞台となり、国家の超能力研究極秘プロジェクトに巻き込まれる金田と鉄雄の二人が中心となって物語は展開される。撮影はカルフォルニアだが、さてどんな映像が見られるのだろうか?

AKIRAの実写映画化は、10年ほど前から何度か話題が持ち上がりは消えて、という流れがあったので「やっと!」と喜ぶファンは多いかもしれない。

知名度は高いが中身は!?

日本の漫画史において名作のひとつに挙げられる「AKIRA」だが、この作品の“絵”は見たこともあってタイトルも知っているけど内容は詳しく知らないという人は多いと思う。イラストなどによく描かれている主人公の少年は金田正太郎というが、これをAKIRAだと思っている人は結構多い。AKIRAとは謎に包まれた超能力者のことである。

漫画は週刊ヤングマガジンで1982年12月から1990年6月まで全120話、単行本は6巻に収められていて、1988年には大友克洋氏本人が監督でアニメ映画化もされている。(※ちなみに漫画と映画版のストーリーは異なっている)この時の映画制作費は破格の10億円。アイズナー賞最優秀国際アーカイブプロジェクト部門、最優秀国際作品部門を受賞した。

よく、漫画から入ったファンはアニメを見て、声優とイメージのギャップがあるなどの理由で「な~んか違うな~」と言うことが多いが、アニメ映画「AKIRA」に関してはあまりその声は聞かなかった。

[人気はあるのに?]

作品の知名度の割に中身を知られていないのは、作品が毎週のアニメ化放送にならなかったこと。そして映画がゴールデンで(地上波では)放送されていないことが大きいのではないか、と推測する。おそらく2013年にTOKYO MXとテレビ大阪でどちらも深夜帯で放送されたのが最後ではないだろうか、その前になると2004年まで遡るそうだ。毎年一度は放送されるジブリ作品とは大きな違いだ。

[エグいシーンと設定]

というか「ジブリと比べるものじゃない」と大多数のファンは言うだろう。映画がゴールデンで放送されない理由は単純に「バイオレンスな内容がゴールデンに相応しくないから」に尽きる。

アニメ映画「AKIRA」の大まかなあらすじは・・・

『1982年、関東地方に新型爆弾が投下され東京は完全に崩壊、第3次世界大戦へ発展し世界は荒廃する。

舞台は2019年。暴走族グループのリーダー・金田は、事故をきっかけに超能力に目覚めた親友の鉄雄と共に軍が秘密裏に研究する超能力者を巡る抗争に巻き込まれる。軍の最高機密「AKIRA」の封印を解き世界征服を試みる鉄雄の暴走を止めるため、金田は仲間たちと協力し戦いに挑む」

――――― 

主人公が不良で暴力シーンが多いくらいならもっとエグい映画は山ほどあるが・・・

◯絵の描写が結構グロく、内臓が飛び出したり、血だるまになったりと、リアル感が強い。女性の裸、女性へ暴力を振るうシーンもある。

◯軍が幼児を集めて超能力者を育成するために調査と実験を繰り返す。人を冷凍保存、人体をバラバラにする。いわゆる幼児虐待や人権侵害など非人道的な部分が強烈。

・・・と、これだけでもゴールデンに耐えられないことが伺い知れるはず。

アメリカ実写版では、このような場面やシチュエーションをどうするのか? 全く無くすのは「AKIRA」という作品の本質や魅力を削ぐ事になりかねないので興味深い。

「アキラは俺たちの中に生きているぞ」

「うるさい!俺に命令すんな!」

「さんをつけろよデコ助野郎!!」

この名言も入れて欲しいところである。

大友克洋は預言者?

漫画「AKIRA」の時代設定は2019年、つまり今年である。一部マニアの間でざわついたのは2013年に東京五輪が決定したあとのこと。

作品の冒頭で、1982年から場面は一気に37年飛んで2019年になり、「かつての東京は大戦後、東京湾上に建設された“ネオ東京”へと生まれ変わり、翌年にオリンピック開催を控えるまでに復興を遂げた」

ここから物語が始まるのである。連載スタートは1982年なのに。

“どうして37年後だったのか? 大友克洋は預言者か?”そんな声が飛んだ。

ただ、これについては、連載が開始された1982年が第2次世界大戦終結から37年後だったため、そのまま物語の第3次世界大戦後に当てはめたのだろう、と見る人は多い。戦後復興の象徴として昭和の東京五輪が開催されたように、物語のネオ東京でも大戦から同じ時間を経て復興し五輪開催という設定にしたのではないかと思われる。

結果的に予言していたことになった2度目の東京五輪だが、ハリウッド版映画が2021年に公開されるというのも、ちょっとおもしろいめぐり合わせかもしれない。

そして興味深いのは、もしかしたらそこから「AKIRA」の続きが始まる可能性もあるのでその後の展開にも期待は高まる。ただ、日本のアニメ作をハリウッドで実写化すると「な~んか違うな~」という結果に陥りがちなのが怖い所(笑)。

Pen(ペン) 2015年4/15号 (2015年04月01日発売)
Fujisan.co.jpより

情報提供元: マガジンサミット

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