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糖尿病は自業自得の病ではない!誤った認識や最新の治療法まで専門医と当事者が語る!

2025-11-13 09:00:27

11月14日は『世界糖尿病デー 2025』。これに先駆けて、糖尿病患者のQOLを高める新たな選択肢として注目されている「CGM(持続血糖測定)」に特化した会社であるデクスコムジャパンは糖尿病患者の生活に必要な最新の治療法や情報に関するメディア向けセミナーを開催しました。
セミナーには、糖尿病治療の第一人者である北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長の山田悟先生、1型糖尿病の当事者であるチャレンジャー/モデルの星南さん、2型糖尿病による右腕切断を経験し、啓発活動を行う元プロ野球選手の佐野慈紀さんが登壇し、医師や当事者それぞれが取り巻く環境についてなどのトークセッションを行いました。

自堕落な生活でなる病気というのは大きな誤解!

山田先生はまず、糖尿病の分類について、1型、2型、特殊型、妊娠糖尿病の4種類があると説明。
1型糖尿病は自覚症状なく急に発症してしまうといい、ショックや悲観的になり受け止められない人が多いそうで、
「医療従事者はそこに寄り添い、家族を含めてアプローチすることが大事です。」と伝えました。
日本人の糖尿病患者の90%を占める2型は、健康診断などで血糖値が高く、何年か経過観察となり、最終的に発症してしまう人も多く、
「好き放題生きてきたから糖尿病になってしまったんだ…これからは摂生して生きていかなければならない。」という誤った思い込みをしていることがあるのだそう。
山田先生が強調するのが、「糖尿病は自堕落な人がなる病気ではない」ということ。
実際に2型糖尿病患者の6割が痩せている人だそうです。

太っているか、痩せているかに関わらず、糖尿病患者に共通するのは食後血糖値の高さであり、無理をしてカロリー制限をするよりも、糖質制限の方が有効な予防法であり、治療法だと近年考えられているそうです。

また糖尿病治療は血糖値を知ることが大事で、従来の指先採血による血糖値測定よりも手軽で負担を伴わないCGMの使用も有効な手段なのだとか。
CGMは24時間連続的に血糖値を測定できる利点がありますが、日本では保険適用がインスリン注射を行っている患者に限られており、より多くの患者が使用できるようになるべきだと指摘しました。

糖尿病は向き合い方によって人生を明るくすることができる病

18歳の時に1型糖尿病を発症した星南さん。インスリン注射や血糖値コントロール、周りの人からの偏見、病気に対する理解を得ることなど、自分自身も病を受け入れるまで時間がかかったそう。
一方で、糖尿病を発症したことで様々なことに挑戦したい!というマインドになったそうで、
「糖尿病になっても、フルマラソンやトライアスロンなど、いろんなことができるんだよ!ということを伝え、誤解や偏見を払拭したい。」
そのような想いから啓発活動を行っているといいます。
また、CGMはスポーツをする際にも不安を解消してくれる、欠かせないツールなんだそう。
「糖尿病に対する正しい理解をしていただくと、みんなが行きやすい社会になります。弱みを強みに変え、向き合い方次第で明るく人生を送ることができる病気だと思っています。」
と、力強くメッセージを伝えました。

自分は大丈夫という過信をせず

現役引退後に2型糖尿病となった佐野さんは、現役時代、血糖値が元々高かったので、引退後は体重を落としたり、アルコールを控えたりと摂生はしていたそうです。
しかし、糖尿病を発症してしまい、食事療法やインスリン注射で治療していたそうですが、一時は心不全に陥り、約5年間にわたり入退院を繰り返す生活を送っていたそう。
結果として透析治療となり、感染症で右腕の切断となってしまったそうです。
CGMについては、血糖値が安定していることを確認できることが精神的な安定につながると回答。
「自分は大丈夫だという変な過信があり、このような状況に陥ってしまったと思います。少しでも自分の体に寄り添うことができれば、健康意識が高まっていくことを身をもって体感したので、今後はそれを多くの人に発信していきたいと思います。」とコメントしました。

“糖尿病”という病名自体に誤解があり、偏見の解消、病態の理解を広げるため「ダイアベティス」への名称変更が2023年から推進されてきているそうです。
正しく理解し、自分ごととして捉えることが、糖尿病を取り巻く環境を変えていくことになるのではないでしょうか。

情報提供元: マガジンサミット