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ゆず×富山・石川の郷土芸能!音楽と伝統が融合した「わっかフェス」詳細リポート

2025-03-27 16:34:30

郷土芸能や歌のチカラで地域を盛り上げるイベント「わっかフェス」が3月26日、富山市のオーバード・ホールで開催されました。地域の伝統芸能の担い手たちに加え、人気デュオ「ゆず」の北川悠仁さんと岩沢厚治さんも出演した同イベントのリポートをお届けします。

同イベントは、三菱商事と朝日新聞社が中心となり、2014年から2022年まで開催した、歌のチカラで被災地の復興への歩みを後押しする「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」の後継として、これまで培ってきた故郷への想いや、人と人の絆を未来へつなげるために2023年よりスタート。3回目となる今回は富山で初開催となり、昨年に続く出演となったゆずのほか、富山県や石川県の郷土芸能団体、地元の高校生、首都圏の大学生らが地域を盛り上げるパフォーマンスを繰り広げました。

■富山・石川の郷土芸能の担い手たちが競演!

郷土芸能のトップバッターは「富山県立南砺平高等学校・郷土芸能部」。五箇山民謡の伝承と普及を目的に創部され、全国高総文祭での入賞回数は全国最多となります。披露した演目は、日本最古の民謡とされる「こきりこ」、平家の落人伝説を唄った「麦屋節」の2曲。女性の唄声と男性の合いの手に合わせ演奏が行われ、やわらかな女性の踊りとキレのある男性の踊りで会場を魅了しました。同部の部長は「五箇山民謡の魅力を多くの人に知ってもらおうという気持ちで活動している。たくさんの人の前で緊張したがとても楽しくできた」と話しました。

続いて、「富山県民謡越中八尾おわら保存会」が登場。江戸時代に始まり、今日まで伝えられてきた唄、三味線、胡弓、太鼓、囃し、踊りの総合的な伝統芸能である民謡「越中おわら節」の保存と後継者の育成を目的に活動している団体です。今回は横浜国立大学の民謡研究会合唱団のメンバーも参加しました。富山がニューヨーク・タイムズの「2025年に行くべき52カ所」に選出されたこともあり、保存会のメンバーは「八尾のおわらを世界に伝えていくことが大事である」とコメントしました。

3番手を務めたのは、「新湊・放生津地区の獅子舞行事 二の丸町獅子方若連中」。 富山県は全国的に見ても獅子舞が非常に多く、新湊・放生津地区の獅子舞は毎年5月の春祭りに各町内にて早朝から夜遅くまで家々の厄払いを行いながら舞います。漁師町ならではのアップテンポなお囃子、天狗と獅子の戦い、「キリコ」という花笠をつけた子どもたちとの掛け合いがあり、ストーリー性の高い演舞が特徴です。今回の演目ではステージが暗転し、迫力のある映像からスタート。全長約6mの百足獅子を7人で演じ、途中からたくさんの子どもたちが登場しました。同団体の会長は、百足獅子について「7人の足を揃えるのは難しいが、かっこよく見せるためにすごく練習をした」と語りました。

郷土芸能のラストを飾ったのは、石川県の「御陣乗太鼓」。石川県輪島市名舟町に伝わる郷土芸能で、県指定無形民俗文化財に指定されています。ピンスポットに1つの太鼓と1人のパフォーマーが無音の状態でたたずむところからスタートし、6人のパフォーマーが入れ代わり立ち代わり舞台上に登場。1つの太鼓を3人がぶつからないように交互に叩くシーンは圧巻でした。パフォーマンス後、御陣乗太鼓のメンバーは今後の目標を聞かれ、「昨年の能登半島の災害で披露の場を奪われてしまったが、全国からオファーをいただいているのでなんとしてもその気持ちに応えたい」と話し、会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

■大盛り上がりの「ゆず」ライブ

休憩を挟んで、ゆずのパフォーマンスへ。恒例のラジオ体操から始まり、ライブは大人気の楽曲「虹」からスタートし、2曲目の「少年」を披露している際には北川さんがお客さんに向けて「コール&レスポンス」を求め、会場の一体感がより高まりました。

ゆずがライブで富山県を訪れたのは約15年ぶりのため、北川さんが「ただいま!」と言うと、会場からは「おかえり!」の声が続出。その後の「サヨナラバス」では、サビ中に観客が左右に手を振り大盛り上がりとなりました。続いて、北川さんの「15年ぶりの富山にこの曲を送ります」という言葉を合図に「雨のち晴レルヤ」を披露。会場はうっとりとした空気に包まれました。5曲目の「タッタ」では、観客全員が入場時に配られた「タンバリン」を使用。横浜国立大学の民謡研究会合唱団もステージに登場し、会場全体が一体となりました。

終盤、北川さんが「ちょっと早いですが、春を越えて夏の曲いってもいいですか?」と観客に呼びかけ、大ヒット曲「夏色」を披露。歌唱後、会場から「もう1回!もう1回!」とアンコールが起こると、新湊・二の丸町獅子方若連中が登場し、舞台上から餅まきを行ないました。餅まきの最中に臼と杵を見た北川さんが「男は黙って、餅をつけ!」とどこかで聞いたギャグを発すると、岩沢さんが「なーにー?」と返すなど、さすがのコンビネーションを垣間見せました。

ラストは感動的な人気楽曲「栄光の架橋」。北川さんが「みんな歌える?」と呼びかけると、会場は冒頭から大合唱。観客とゆずが交互に歌い、北川さんの「素晴らしい!」というコメントに観客たちは大きな拍手で応えました。楽曲の途中から、今回のイベントに出演した郷土芸能団体のメンバーたちがステージに登場し、郷土芸能とのコラボによって約2000人の観客と出演者たちが一つとなる最高の空間になりました。

イベント終了後の質疑応答の際、司会者から「今後富山に来たらどんなパフォーマンスをしたいですか?」と質問されると、北川さんは「また富山に来た時には、みんなで餅をまこう!」と話し、会場が笑いに包まれる和やかなムードで終演。ゆずと郷土芸能の未来を担う若者らとのコラボレーションから生まれた熱気が印象的なイベントとなりました。

本イベントについて、主催者側は「『わっかフェス』開催にあたって、地域の皆様とのつながりを体言できないかということで、入場の際にお客さんには富山県の名産である『しろえび紀行』と、出演アーティスト『ゆず』さんに合わせ、“ゆず味”のしろえび紀行をお配りいたしました。人と人のつながりにより、郷土芸能と音楽の力で地域を盛り上げていくこのイベントが、これからも“わっか”のように、各地につながり、広がっていくことを願います」とコメントしています。

<ゆずライブ曲順>
1:虹
2:少年
3:サヨナラバス
4:雨のち晴レルヤ
5:タッタ ※郷土芸能とのコラボ
6:夏色 ※郷土芸能とのコラボ
7:栄光の架橋 ※郷土芸能とのコラボ

情報提供元: マガジンサミット