室伏広治「生涯通してスポーツで培った能力を活かせる社会を目指しています」、アスリートならではのセカンドキャリアが語り合われる
2025-02-28 13:15:44
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スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)は、2月26日(水) に、東京ミッドタウン八重洲カンファレンスにて、アスリートのキャリア形成を支援、ライフキャリアの向上を目的とした、「Athlete Career Challenge カンファレンス 2025」を開催。
「Athlete Career Challenge カンファレンス」は2025年で5 度目の開催となる。本年度は「競技の枠を超えアスリートと共に考えるアスリートの未来」をテーマに、現役のアスリートや指導者、そして人材の活用や育成の環境に注視しアスリートを支える企業や団体と、多角的な視点からアスリートの社会における可能性、そしてそれを活かし、伸ばすことがもたらす未来について有識者の見解とともに発表された。
当日は、ゲストファシリテーターとして、毎年参加しているJOC アスリート委員会 委員長の松田丈志氏に加え、公益財団法人日本体操協会 強化本部長で、オリンピックメダリストでもある村上茉愛氏も参加し、それぞれ競技の第一人者としての観点からキャリアについて語った。また、アスリート人材が企業にもたらす影響力を、企業側の視点からどのように見ているのかを、ソニー生命保険株式会社、イオンモール株式会社、株式会社リクルートの担当者が、各社の活用事例を基に紹介した。
スポーツ庁 長官 室伏広治氏は開会挨拶にて「本カンファレンスは、アスリートのキャリア形成を支援するために、スポーツ界、産業界、経済界が連携し情報と意識の共有を図る場として開催しています。アスリートが競技生活で培った能力を引退後も社会で活かせるよう、多角的サポート体制を充実させることが大変重要であり、本会はこれを目的としています。
アスリートのキャリア形成を取り巻く環境は年々変化しています。それに対応するためには、スポーツ界全体での継続的な支援が不可欠です。アスリートが生涯通してスポーツで培った能力を活かせる社会を目指しています」と述べた。
今回、ゲストファシリテーターとして登壇した元競泳選手の松田氏は「引退して9年ほど経って、年齢は今年で41歳。業態としてはフリーで働いていて、僕自身も10年、20年どういう働き方をしていこうかなということは日々考えています。そういう悩みもみなさんと共有しながら今日はすごせたらと思います」と挨拶。
元体操選手の村上氏は「競技を3年前に引退してセカンドキャリアを考え始めているときです。まだスタートしたばかりで、本来は壇上ではなくみなさんと学んでいくところではあるのですが、今日いろんな方がプレゼンしてくださるので、みなさんと共に学んでいければと思います」と、キャリアについて学ぶ姿勢を見せた。
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プログラム1では「アスリートの課題とは何なのか」というテーマでプレゼンが行われた。一般社団法人日本プロサッカー選手会 マネージャー 小林慎一朗氏はJリーグのサッカー選手たちのキャリアについて説明し、最後に「アスリートのキャリアサポートをする皆さまへと題して「アスリートがキャリアの準備をすることは大前提として必要だと思っているが、選手を近くで見ているからこそ『セカンドキャリア』という言葉を使わなかったり『伝えるタイミング』に注意している」と話し、キャリアサポートにはアスリートとの関係構築やスリーとへの気遣い、心遣いが重要だと伝えた。
小林氏のプレゼンを受けて、村上氏は「引退をする前にセカンドキャリアを考えていた当時を思い出しながら聞かせていただきました。競技時代に、たとえば指導者から『セカンドキャリアについて』と言われると、『あ、競技もう終わりとして見られてるのかな?』と、指導者に対して否定的な考えに入ってしまうなとすごく思って、『キャリア』という言葉に替えたりとか、敢えて使わないということを、私も教えている選手たちに伝えていかなきゃいけない立場なので、言葉の言い回しも大事だなと思いました」と、選手と指導者両方の視点での意見を語った。
プログラム2では「アスリートと考えるキャリアビジョンワークショップ」をテーマに、会場に集まったアスリートたちがセカンドキャリアについて話し合うグループディスカッションが行われるなど、アスリートたちの交流の場にもなっていた。
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情報提供元: マガジンサミット