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この秋見たい!心温まるSFラブストーリー「あなた、そこにいてくれますか」

2017-10-13 07:00:00

この秋の映画は、話題作が目白押しです。最も注目されているのはあの伝説的SF映画の続編『ブレードランナー2049』でしょう。天才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がリドリー・スコットの傑作を引き継いだということで、前作に匹敵するほどの作品に仕上がっていると期待されています。

また、アメリカで大ヒットを記録した『ゲット・アウト』も待機中です。黒人男性と白人女性の若いカップルが、白人女性の実家に遊びに行くことで巻き起こるトンデモ展開を描いています。

こちらは通常想定される展開をことごとく覆したスリラーであり同時に非常にウィットに富んだコメディでもあります。

そんな2作品に加えて、もう1本、ちょっと心温まる秋っぽいオススメ映画を見つけましたので、ご紹介します。それが『あなた、そこにいてくれますか』です。

『あなた、そこにいてくれますか』

本作は、世界30カ国で第1位となったフランスのベストセラー小説「時空を超えて」を韓国で映画化したものです。2015年と1985年を舞台に、愛する女性の運命をめぐって時空を行き来することで運命を変えていきます。

こういうタイムトラベルものはSF作品の定番です。しかもこの年代で想起するものといえば、あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー part2』がまさに時代設定も同じです。

しかし本作は、今はもう会うことができない人の運命にフォーカスすることで、より切なくて葛藤をはらんだ物語になっています。

主人公はひとり暮らしの中年医師。愛するひとり娘はいるけれど離れて暮らし、親友と言える男友達にたまに会う、ごく平凡な生活を送っています。そんな彼が、ひょんなことから手に入れた時空を超えて過去に戻れる薬を使って、今はもう会うことができない女性にもう一度会いたいと、かつて彼女と付き合っていた30年前に戻るのです。

本作が切ない理由は、選択にあります。30年前に起きたある事件によって共に歩めなくなった恋人との人生を選ぶのか、しかしその結果、2015年現在、自分のもとにいる娘との人生を選ぶのか。

本作は、両方を選ぶことができない苦しい選択を主人公に迫ります。1985年当時の主人公と2015年の主人公は、それぞれ自分の求める愛に葛藤しながら、究極の選択をすることで運命に抗っていくのです。

現時点での科学において、時間は不可逆で我々は過去を修正することができません。だからこそ、本作のようなタイムトラベルで過去をやり直して未来を変えていくという物語に憧れを持ち、次々と生まれてくるのでしょう。

タイムトラベルものの傑作は、そのありえないファンタジー性を手段として描くことで、時間や人生に対する本質的な意味を問いかけ、浮き彫りにしています。

たとえばリチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム 愛おしい時間について』などはその典型でしょう。本作においても、理屈をすっ飛ばしたタイムトラベルではあるものの、変えられる過去を目の前にした時に、エゴとどう向き合うのかという人生の本質そのものが画面に写っています。この映画が素晴らしいのはその点でしょう。そして、映画を見つめる観客に、主人公たちがタイムトラベルで得た人生の真実と向き合う機会を提示しているのです。

この秋のダークホースとして、是非本作をご覧いただき、生き方について見つめるきっかけにしてもらえればと思います。


『あなた、そこにいてくれますか』
10月14日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷 他 全国順次ロードショー
(C) 2016 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.


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情報提供元: michill (ミチル)

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