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良いコトも悪いコトも。 「週末断食」は正しい知識と方法で

2017-08-11 18:30:29


執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
医療監修:株式会社とらうべ
美容や健康を目的に「週末断食」を行う人が女性を中心に増えています。
一般的な「断食」はつらく厳しいイメージがありますね。
それでは週末断食となるとどうでしょう?そもそも週末断食とはどういうものなのでしょうか。
そこで今回は週末断食の方法やメリット、デメリットをご紹介します。

断食と週末断食の違いは?


本来断食とは、3日以上食べ物を絶つことをいいます。断食を行うと、身体を厳しい状態に置き、つらいという印象がありますね。
実際、断食にはエネルギー不足による低血糖症状などの体調不良の危険もともなうため、指導者のもと、正しい方法で行う必要があります。
一方、週末断食は、プチ断食やファスティングといわれるもので、週末の1日だけ固形の食事を摂らずに飲み物だけを摂る断食の方法です。断食に比べて危険は少ないですが、誤った方法で行うと体調不良やリバウンドにつながることがあります。

週末断食の方法とは?


週末断食は、固形の食事を摂らずに飲み物だけを摂るのは週末の1日間だけですが、準備日、回復日が必要なため、合計3日間を要します。

1日目


金曜日を利用し、準備日とします。
朝食や昼食は通常どおり摂取しても問題ありませんが、夕食の量をいつもより控えめにします。

2日目


土曜日、断食の当日です。固形の食べ物は摂らずに飲み物からのみ、栄養素を摂取します。
飲み物の種類は、酵素ドリンク、野菜ジュース、コールドプレスジュース、グリーンスムージー、野菜スープなどの栄養価が高いものを摂取します。
それ以外に水やお茶から水分を摂取します。

3日目


日曜日、断食後の回復日になります。固形物が食べられる身体にゆっくりと戻す日です。
消化の良い重湯やお粥などを摂取します。
週末断食後すぐに通常の食事量に戻すのではなく、1日かけて徐々に通常の量に戻していきます。

週末断食のメリットと効果


週末断食のメリットとして、休日を利用するため、取り入れやすいという点が挙げられるでしょう。
また、週末断食の効果には、次のような効果があります。

その1.脂肪燃焼効果


通常、ヒトは摂取した食べ物からエネルギーを作り出しています。週末断食によって食べ物からのエネルギー産生ができなくなると、脳や身体を動かすためのエネルギーを作り出すために、体内の脂肪が使われるようになります。

その2.腸内環境改善効果


空腹時には、胃や腸が激しく収縮します。すると、胃腸に残った食べ物のかすや細胞の死骸などが体外に出され、腸内環境の改善につながります。

週末断食のデメリット


一方で、週末断食には次のようなデメリットもあります。

その1.リバウンドしやすい


回復食の内容をいきなり通常の食事の量や内容にすると、飢餓状態になった身体が栄養素を一気に吸収し、リバウンドにつながります。
先ほど述べたように、週末断食3日目の回復日は、1日をかけて食事量を徐々に増やすようにしましょう。

その2.長期間続けると危険


・意識障害
週末断食によって脂肪が分解されると、血液中のケトン体という物質が増えます。
ケトン体は飢餓状態のときにエネルギー源となるので、生き残るためには必要なものですが、増えすぎると身体が酸性に傾き、意識障害がおこる危険があります。
・筋力が低下する
脂肪の分解と同時に、筋肉の分解も進みます。長期にわたって断食をすることで、筋肉が落ち、代謝の低下にもつながります。
・低血糖症状が出ることがある
週末断食を行っている間は、血液中の血糖値が下がるため、低血糖症状が現れることがあります。症状の特徴としては、気分が悪い、ふらつき、倦怠感などです。
このような症状が出た場合は週末断食を中断しましょう。
また、断食中に激しい運動を行うと、低血糖のリスクが高くなるので、危険です。運動はウォーキング程度にしておきましょう。
これらのリスクを避けるためには、3日間という期間を守ることが重要です。
週末断食は体重を減らすための方法ではありません。
脂肪燃焼機能を高める、腸内環境を整える、内臓を休めるなど、身体の機能をととのえることが目的です。
そのため、身体に負担をかけないように準備期間・回復期間を含めた3日間の正しい方法を守ることが大切です。
そのことを理解したうえで上手に取り入れれば、健康的な取り組みといえます。
<執筆者プロフィール>
桜 イクミ(さくら・いくみ)
管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト
株式会社 とらうべ 社員。病院での栄養管理・栄養指導の経験を経て、現在は企業で働く人の食と健康指導を行っている
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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