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知っておこう「コレステロールを抑える食事」について

2017-03-22 18:30:07


執筆:永吉 峰子(管理栄養士)

健康診断で計測されるコレステロール値。
高いのはよくないとわかっていてもどんな食事にしたらよいか、疑問に思われている方も多いのではないでしょうか?
今回はコレステロールの基本や、コレステロールを抑えることが期待できる食事について解説していこうと思います。

そもそもコレステロールって何?


コレステロールは体の細胞の膜を作っている成分です。
体内のコレステロールの中、7~8割が肝臓で合成されたもので、残りの2~3割が食べ物から摂取されたものです。
コレステロールには大きくわけて2種類あり、体に及ぼす影響も異なります。

動脈硬化の元となる悪玉コレステロール


血液検査でLDLコレステロールと表記されているものが悪玉コレステロールです。
悪玉コレステロールにはコレステロールを肝臓から全身に運ぶ役割があります。
悪玉コレステロールが過剰になると、血管の内側にコレステロールが沈着してしまい、動脈硬化の原因となります。

動脈硬化を防ぐ善玉コレステロール


血液検査でHDLコレステロールと表記されているもの善玉コレステロールです。
悪玉コレステロールとは逆の働きがあり、全身で余ったコレステロールを肝臓の戻す働きをしています。
その為血管へのコレステロール沈着を防ぎ、動脈硬化を予防する働きをしています。

抑えるべきは「悪玉コレステロール」


2種類あるコレステロールの中、抑えた方がよいのは悪玉コレステロールです。
反対に善玉コレステロールは少ないことが問題となります。

コレステロールを抑える食事の3つの基本ポイント


その1.コレステロールを上げるものを控える


肉類やバターなどの動物性油脂に多く含まれている飽和脂肪酸にはコレステロールを上げる働きがあります。
脂身の多い肉類、脂肪分の多いチーズ、バター、バターを使った洋菓子、チョコレートなどは控えるようにしましょう。

その2.コレステロールが多いものを控える


体内のコレステロール中、2~3割が食事から摂取したものです。
その為、食品自体にコレステロールを含んでいるものは控えるようにしましょう。コレステロールは卵や、イクラなどの魚卵、レバー、イカ、タコ、エビなどに多く含まれています。

その3.コレステロールを下げるものを摂る


青魚やえごま油、アマニ油に含まれるオメガ3脂肪酸、オリーブオイルに含まれるオレイン酸にはコレステロールを低下させる働きがあります。
また、野菜や海藻類・きのこに含まれる食物繊維は胆汁酸の排出を促す働きを持っています。胆汁酸は脂肪の消化吸収に必要な物質で、悪玉コレステロールが原料です。
脂肪の消化吸収を助ける仕事を終えた胆汁酸には通常は小腸から吸収されて再利用されます。
しかし食物繊維が腸内にあると小腸から吸収されず、体外に排出されていきます。すると新たに胆汁酸を作ろうと、原料になる悪玉コレステロールが消費されるので、悪玉コレステロールの低下が期待できます。
また食物繊維は、コレステロール自体の排出も促す働きも持っています。

コレステロールを抑える食事、応用編


肝臓の機能を高める


コレステロールは肝臓で代謝されるので、肝臓の機能を高めることはコレステロールを抑える上で重要です。
肝臓の機能を高めるのにポイントになるのが、お酒の飲み方です。
アルコールは肝臓で解毒されるので、飲みすぎは肝臓の負担になってしまいます。1日に当たりビールならば350ml程度、ワインならばグラス2杯程度にしましょう。
また、肝臓を休めるために休肝日を週2日程度設定しましょう。

動脈硬化防止に抗酸化物質を摂取!


悪玉コレステロールが高い場合、血管に沈着したコレステロールで動脈硬化のリスクが高まります。
コレステロールは酸化してしまうと血管に沈着しやすくなるので、動脈硬化を予防するには原因のコレステロールを下げるだけでなく、コレステロールの酸化を防ぐ成分を摂取することも大切です。
コレステロールの酸化を防ぐ働きがあるのが抗酸化物質です。
抗酸化物質にはビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどがあります。
ビタミンAは乳製品、うなぎ、卵、緑黄色野菜に、ビタミンCはパプリカ、柿、キウイ、モロヘイヤに、ビタミンEはアーモンド、モロヘイヤ、パプリカ、うなぎに多く含まれています。
ポリフェノールには、赤ワインのアントシアニン、そばのルチン、お茶のカテキンなどがあります。

コレステロールを抑える食事、ここに注意!


コレステロールを抑える食事をまとめると、「魚を中心に野菜たっぷり、油はアマニ油やオリーブオイルを使用」ということになります。
ここで注意しなければならないのは、「これらの食品は薬ではない」ということです。
今のお食事に更にプラスしてオイルなどを摂ってしまうと、カロリーオーバーになって内臓脂肪が蓄積し、コレステロールを上昇させるホルモンが出てしまいます。
よいものをプラスするのではなく、置き換えるように意識するとよいでしょう。
また、コレステロールが高い要因は食事以外にも遺伝や、女性の場合は閉経なども影響します。
場合によってはお薬の服用が必要になることもあるので、コレステロールが高めの場合は自己判断せず、医師の判断をあおぐようにしましょう。

コレステロールは動脈硬化の要因の1つなので、早めのケアが必要です。
コレステロールを抑える食品を上手に取り入れ、食生活を見直してみて下さいね。
<筆者プロフィール>
永吉峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

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情報提供元: mocosuku