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「飛行機嫌い…」 それは閉所恐怖症が原因かも?

2016-12-29 18:30:39


執筆:松本 たお(正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者)
閉所恐怖症という言葉を聞いたことはありますか?
例えば、飛行機やエレベーターに乗ることを極端に嫌う人がいれば、その原因は閉所恐怖症にあるのかもしれません。
閉所恐怖症とはどういうものなのか、原因や症状、対策についてまとめてみましょう。

閉所恐怖症とは何?


恐怖症というのは、何か特定のものへの恐怖心が過剰になり、日常生活や健康に支障が出る状態を言います。
閉所恐怖症は狭い空間に対し「逃げ出せない」「閉じ込められる」という感覚に襲われ、その恐怖から様々な症状が現れる状態です。パニック障害のひとつと言われています。
飛行機やバス・電車などの乗り物を始め、エレベーター、映画館、カラオケボックス、MRI検査など、症状が現れる環境は人によって様々です。

閉所恐怖症の症状は?


発汗やしびれ、めまい、動悸、息苦しさ、不安などが代表的な症状です。健康な人でも緊張状態のときにはこのような状態になったりしますよね。
閉所恐怖症の人は、恐怖を感じる環境におかれることでこれらのパニック発作が現れます。発作の程度は人それぞれですが、呼吸困難で救急車で運ばれるような事態も起こるのです。
しかしこれらの発作によって命に影響があることはありません。

閉所恐怖症の原因は?


明らかな原因は特定されていませんが、いくつかの原因が考えられています。
まずは脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌以上から起こるという解剖学的な原因。この場合は親や兄弟にも恐怖症やパニック障害が発症していることが多く、遺伝的な要因とされています。
トラウマにより発症することもあります。子供のころ物置などの狭い空間に閉じ込められた経験や、飛行機事故で怖い思いをした経験、エレベーターに閉じ込められた経験などの記憶が引き金となり、パニック発作を起こしてしまうのです。
また性格的な傾向という要因もあります。パニック障害や不安障害、恐怖症にかかる人は、神経質・完璧主義といった性格の傾向があるようです。

自分や家族が閉所恐怖症になってしまったら


閉所恐怖症には、薬物療法・認知行動療法・曝露療法・カウンセリングなどの治療方法があります。
症状が軽いと「気の持ちよう」と思ってしまいがちですが、発作を重ねていくうちに不安は大きくなり悪化してしまう可能性があります。閉所恐怖症かなと感じたら、一度医療機関を受診することをお勧めします。
閉所恐怖症の発作は、1人でいるときが1番起こりやすく、「家族と一緒だと安心する」「誰かが手を繋いでいてくれると発作が起こらない」という声もあります。身近な人が閉所恐怖症に理解を示し、協力することが対策になりそうです。
また普段から運動をすることやヨガなどでリラックス出来るようにしておくと、心を落ち着かせる練習になります。
閉所恐怖症は発作が起こり得る環境が多岐に渡り、日常に支障を来す場面が多くあります。
気持ちの問題と捉えて無理を重ねてしまうことがないようにしてくださいね。気にしすぎは悪循環です。適切な治療を受ければ治るものなので、前向きに医療機関を受診してみてください。
【参考】
せせらぎメンタルクリニック『閉所恐怖症の原因と治療・克服法』(http://seseragi-mentalclinic.com/claustrophobia/)
<執筆者プロフィール>
松本 たお(まつもと・たお)
正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者   
精神科・産婦人科・助産院での臨床経験を持つ正看護師。現在は育児に奮闘中二児の母。

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情報提供元: mocosuku

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