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管理栄養士が教える「調味料保存の基本」

2016-10-17 18:30:30


執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
料理で使う様々な調味料。なんとなくシンクの下や冷蔵庫に保存していませんか?
実は各調味料に合わせて最適な保存場所があるのです。
そこで今回は、調味料ごとにどこが美味しく保存できる場所なのか、管理栄養士がお伝えいたします。

砂糖と塩は湿気の少ない常温保存


砂糖と塩はとても保存性が高く、法律で表示が定められている賞味期限の表示をしなくてもよい食品に制定されているほどです。
ですから砂糖と塩の保存場所は常温で十分。冷蔵庫で保存する必要はありません。
しかし、そんな塩と砂糖には「におい」や「湿気」に弱いという弱点もあります。
そのため、石鹸や洗剤などを保存することが多いシンク下での保存は避けた方がよいでしょう。湿気やにおいを吸収してしまうのを防ぐ為です。食器棚や食糧庫などに保存すると安心ですね。
保存容器は密閉できるものを使用しましょう。袋を輪ゴムをしただけだと、湿気が入ってしまう心配があります。
また冷蔵庫に保存してしまうと、温度差で袋や容器の内側に水滴がついてしまうことがあり、この水滴によって塩や砂糖が湿気ってしまうことがあります。冷蔵庫での保存は避けましょう。冷蔵庫には匂いの出る食品が入っていることも、保存を避けた方がいい理由の1つです。

お酢と醤油は冷蔵庫で


お酢は米や果実を発酵させて作った調味料です。そのため、発酵が進んで商品が劣化しないよう冷蔵庫で保存することが基本です。
冬場は常温保存でも構いませんが、冷蔵庫で保存した方が長持ちするようです。
また最近では、ピクルス液などお酢に醤油などを加えた調味液も販売されていますよね。
こういった何種類かの調理料がミックスされたものは、便利な反面保存性はあまりよくはありません。冷蔵庫で保存するようにしましょう。
醤油は大豆と小麦に麹菌を加えて作った麹に食塩水を加え、発酵させて作ります。
酢と同じ発酵食品ですので、空気に触れると酸化して味や香りや落ちてしまいます。冷蔵庫での保存がおすすめです。

味噌は冷凍保存もOK


味噌は大豆や麦などに塩を加え、麹で発酵させて作る発酵食品。発酵によって材料の成分が変化し、独自の風味や香りが生まれます。
ただし、発酵しすぎてしまうと品質が劣化し、風味が損なわれてしまうこともあり、雑菌がつくとカビが生えてしまうこともあります。
そのため、保存は密閉できる容器に入れ、清潔なスプーンなどで取り出すようにしましょう。保存場所は冷蔵庫が基本です。
買いすぎてしまった時などは冷凍保存することもできます。冷凍保存をする時はラップで二重にくるむとよいでしょう。味噌は冷凍しても固まらないのでそのまま簡単に使うことができます。

タイプによって違うみりんの保存方法


みりんには2種類のタイプがあります。
1つはアルコール度数が14%前後の本みりんと呼ばれているもの。
もう1つが、本みりんに処理をして食塩や糖を加えたみりん風調味料です。
タイプによって保存方法が異なる為、それぞれに合った保存方法をとりましょう。製品ラベルの裏面を確認するとどのタイプなのかがわかります。
本みりんは糖を多く含んでいます。その為、冷蔵庫で保管すると糖が結晶化して固まってしまいます。保存は冷蔵庫を避け、食器棚や食品庫などの直射日光のあたらない場所で保存しましょう。
みりん風調味料の場合、「発酵調味料」と記載されているものは本みりんと同じ保存方法で構いません。発酵調味料にはアルコール分が十分に含まれ、保存性がある為です。
一方、甘味調味料と記載されているものはアルコール含有はあまり多くはありません。必ず冷蔵庫で保存するようにしましょう。

料理酒は冷蔵庫で


料理酒のほとんどは、料理に旨みなどをプラスする為に酒に食塩などが添加されています。その為、冷蔵庫で保存するようにしましょう。
また料理酒の中には、「料理用清酒」といって清酒のみで作られているものもあります。このタイプでしたらアルコール含有量が高いために常温でも保存できます。直射日光の当たらない場所で保存しましょう。

めんつゆは冷蔵庫で保管し、早めに使用を


めんつゆは醤油、食塩、アルコール、みりんなどの調味料に鰹節の粉末やだしを加えて作ります。その為、雑菌が繁殖しやすい調味料の一つです。開封後は冷蔵庫で保存をしましょう。
また2週間ほどで使い切ることをおすすめします。なお、未開封であれば殺菌されているので常温でも保管ができます。

調味料を美味しく保管できれば、いつものお料理も更においしく作ることができます。
それぞれの調味料に合った保存方法を知って、お料理を楽しんで下さいね。
【参考】
・三井製糖株式会社:https://www.mitsui-sugar.co.jp/contact/faq/
・公益財団法人塩事業センター:http://www.shiojigyo.com/a020products/product3/
・株式会社Mizkan Holdings:http://faq.mizkan.dga.jp/faq_list.html?page=1&category=11
・マルコメ株式会社:http://www.marukome.co.jp/knowledge/miso/preservation/index.html
・キッコーマン株式会社http://www.kikkoman.co.jp/customer/product/syouyu_2.html
・宝酒造株式会社:http://www.takarashuzo.co.jp/cooking/honseishu/qa.html
・ヒゲタ醤油株式会社:http://www.higeta.co.jp/customer/#qus04
<筆者プロフィール>
永吉峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

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情報提供元: mocosuku

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