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「基礎研究」はなぜ重要?ノーベル賞受賞者が警鐘 研究費の減少・人材流出で危機【Nスタ解説】

海外
2025-12-09 22:54

ノーベル賞の受賞が決まっている、京都大学の北川進特別教授、大阪大学の坂口志文特任教授は「基礎研究」の重要性を強調しています。


【写真で見る】記念講演で語る京都大学の北川進特別教授


「ファンタスティック!」 現地時間10日に授賞式

京都大学 北川進 特別教授(ノーベル化学賞)
「偶然ではなく、問いかける心が科学の扉を開くのです」


記念講演を終え、安堵の表情を浮かべる京都大学の北川進特別教授。その後向かったのは、記念のコンサートです。


京都大学 北川進 特別教授
「かなりリラックスして、山場はレクチャー(講演)ですから。ファンタスティック!」


大阪大学の坂口志文特別栄誉教授もコンサートを堪能したようです。


大阪大学 坂口志文 特別栄誉教授(ノーベル生理学・医学賞)
「今日は本当にリラックスして楽しんでいます。どうもありがとう」


授賞式はいよいよ、現地時間10日に迫っています。


晩餐会の会場「青の間」に赤レンガ

私たちは、晩餐会が行われるストックホルム市庁舎の内部の撮影を許可されました。


記者
「ノーベル賞の晩餐会はストックホルム市庁舎の『青の間』で執り行われます。1300人を超えるゲストが集うということです」


名前は「の間」ですが、使われているのはレンガです。


記者
「青く塗る予定でしたが、この赤レンガがあまりにも美しかったということで、『青の間』という名前だけを残したホールになったということです」


さらに、こんな仕掛けも。


記者
「窓と窓の間にある星を見続けながら階段を降りると、ちょうど首と顎のラインを綺麗に保ったまま降りることができるということです」


晩餐会の後には「黄金の間」で舞踏会が行われます。

受賞者たちを迎えるのは、ストックホルムを表す女王の壁画です。


記者
「左側はパリのエッフェル塔やニューヨークの自由の女神が描かれたエリアです。右側は虎や象、奥にはモスクが描かれていて、ストックホルムを中心に世界が描かれているという壁画です」


晴れの舞台に、どのような表情で臨むのでしょうか。


“研究費増えにくい”現状 歴代受賞者も指摘

井上貴博キャスター:
今回、受賞が決まっているのは、▼ノーベル化学賞として「金属有機構造体の開発」を研究した京都大学の北川進特別教授、▼ノーベル生理学・医学賞として「制御性T細胞の発見」を研究した大阪大学の坂口志文特任教授です。

授賞式を前に、2人が強調したのは「基礎研究」の重要性です。


「基礎研究」とは、自然現象の解明、真理の追求など、主に大学の研究者が取り組む研究で、歴代の受賞者もずっと指摘していました。

性格別の研究開発費用を見ると、2024年の▼基礎研究は2兆9519億円、▼応用研究は4兆2019億円、▼開発研究は13兆3812億円となっています。
※総務省「科学技術研究調査」より


科学ジャーナリストの寺門和夫氏によると、基礎研究の現場で、研究費は「実質減少」していて、物価高・人件費高騰で大学の研究室は維持するのも大変だということです。

また、国からの研究資金は「選択と集中」で分配され、有名大学やAIなどの先進研究へ優先的に提供されているといいます。

どのように日本の基礎研究を支えていくかという部分です。


山形純菜キャスター:
日本には本当に素晴らしい人材がいると思いますので、外に流さないように手が打てないかなと思います。


井上貴博キャスター:
日本の宝なので、どう国の資金を投入していくのか。女性研究者がなかなか増えていかないという課題もあるように感じます。


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