日本最大のスカウトグループ側に捜査情報を漏らしたとして、警視庁暴力団対策課の警部補、神保大輔容疑者(43)が逮捕されました。警察内部に衝撃が広がっています。
帽子をかぶり、マスクをあごにつけて歩く男。警視庁・暴力団対策課の警部補、神保大輔容疑者(43)です。
記者
「神保容疑者を乗せた車が警視庁本部に入ります」
日本最大のスカウトグループに、捜査情報を漏らしたとして逮捕されました。
神保容疑者は今年4月と5月に、巨大スカウトグループ「ナチュラル」をめぐる捜査情報をグループのメンバーに漏えいした疑いが持たれています。
「ナチュラル」は、女性をスカウトし、違法に風俗店に紹介。女性の売り上げに応じて風俗店から「スカウトバック」と呼ばれる報酬を得るなどし、2022年だけでも40億円余りを集めたとみられています。
警視庁は、スカウトバックの一部が暴力団など反社会的勢力に流れているとみて、ナチュラルの壊滅を目指して摘発を強化。その捜査の過程で、ナチュラルの関係先にカメラを設置し、関係者の動きを確認していました。
神保容疑者は捜査の担当から外れたあと、ナチュラルが独自に開発したアプリにカメラの画像数枚を共有していて、それが今回の逮捕容疑となりました。
関連はわかっていませんが、今年1月には、ナチュラルのメンバーの男性を逮捕しようとした直前に男性が逃走したこともありました。
神保容疑者は組織犯罪の捜査を14年間担当し、おととしから今年3月までの間、ナチュラルの事件捜査に関わりました。
神保容疑者を知る捜査関係者は…
「昔は安い弁当を買う生活だったのに、急にヴィンテージのジーンズを履いてきたり、車も買ったりしていた」
突然、羽振りが良くなったと話します。
神保容疑者の自宅からは現金数百万円が押収されていて、警視庁は、捜査情報の漏えいの見返りに金銭を受け取った可能性もあるとみて捜査を進めています。
一体いつ、そして、どのようにして捜査情報漏えいの疑いがあると分かったんでしょうか?本橋記者の報告です。
詳細については現時点で分かっていないのですが、神保容疑者はおととしから今年3月までの間、「ナチュラル」が関与する事件の捜査に関わっていました。
ナチュラルは独自開発したアプリで私服警察官の写真を撮影して共有したり、警察官から職務質問などをされた際の対応マニュアルを共有したりして、警察から摘発されないようにしていました。
神保容疑者はこのアプリを使って情報漏えいしていたということで、かなり組織に取り込まれていたとみられます。
今年1月、ナチュラルの男性を逮捕しようとしたところ、男性はその場におらず、逃走したこともありました。
当時、「捜査情報がどこから漏れたのか」「メディアが情報漏えいした」などと問題視した捜査幹部もいるほど、暴力団対策課の中では、摘発の詳細という重要な捜査情報の漏えいがあったとして疑心暗鬼になっていました。
ある捜査幹部は「捜査員としてあるまじき行為」と断罪していて、警視庁は12日に行われた発表でも「警視庁に対する同僚や組織への裏切り行為そのもの」と糾弾しています。
警視庁は今後、徹底した捜査で事実関係を明らかにし、再発防止に取り組むとしています。
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