松本幸四郎さん、尾上松也さんが東京・新橋演舞場で30日から開幕する歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」の公開舞台稽古と取材会を行いました。
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同作は松竹と劇団☆新感線がタッグを組んだ「InouekabukiShochiku Mix」シリーズのオリジナル作品として製作され、2007年に幸四郎さん(当時:市川染五郎)を主人公に初演され、華やかでダイナミックな演出が話題となり、人気を博しました。
今回は“歌舞伎NEXT”として約17年ぶりに復活。主人公・ライと、エイアン国の武将・サダミツの二役を、幸四郎さん松也さんのダブルキャストで務めます。
当時も主演だった幸四郎さんは、前回との変化を聞かれると“前回やっている時に、うちの娘が生まれたので、17年経って、もうすっかり(娘が)ヒップホップを踊っているところが一番進化したところですかね…”とボケると、松也さんから“作品には関係ないから”と、突っ込まれ 笑わせました。
あらためて見どころについては “とにかく来ていただいて、どこが見どころで刺激的だったか、みなさんに感じていただけたら。そのくらい すごい作品に仕上がっています” と胸を張りました。
また、前作を見て幸四郎さんに憧れたという松也さんは、稽古を通して“やっぱりカッコいいですね。ついつい「あ~、本物を見ているな」と、私が憧れたライが目の前にいると感じることもたくさんありました。初日が近づくにつれ(幸四郎さんの)ボルテージが上がるのを拝見するのも毎日刺激的でたのしいです”と感慨深げに語りました。
中村時蔵さんはNEXT歌舞伎に参加して“とにかく稽古が楽しくて 稽古場に、こんなにウキウキしていくことは無いので”と語ると、市川猿弥さんから“じゃ、普段の歌舞伎はなんなんだ?”とツッコまれ笑いを誘っていました。
初参加となる市川染五郎さんは“父 (松本幸四郎) が染五郎時代に演じた作品に、私が染五郎になって出演させていただけることも、とても意義深く感じております”と語り、役柄について“この年齢でないと、このシュテンという役には出会えなかったと思う。少し前だと、まだ子どもすぎてできなかったかもしれないし、今出会えたことにすごく意味があるんじゃないかと感じています”と10代最後の役に期待に胸を膨らませていました。
一方、年長者の坂東彌十郎さんは“私、まだまだ若手だと思っていましたが、今回も稽古を拝見していて、本当に皆さん元気なんです。立ち回りができないことが寂しいと思っていましたが、なくて良かったと思っています”と、淋しいようなホッとしたような表情で語りました。
そんな作中の激しい立ち回りに、尾上さんは“ホント時間が長いですからね”と語ると幸四郎さんも“冗談じゃないくらい、ふざけるなというくらい多いです”と明かし、松也さんも“かなりびっくりしております。今が怖いです”と明かしました。それに向けての体力づくりなどの対策を聞くと“体力づくりをしているヒマも無い”とぼやき、幸四郎さんも“体力づくりをしたら逆に体力が落ちちゃうくらい”と気を引き締めていました。
そんな二人に彌十郎さんは“俺も若かったらなぁと思いますけど、でも見ていると今でも演りたくなりますね。そのぐらい周りの皆さん本当にかっこいいです。そこを見ていただいて、力んだところで私を見て緩んでくれればいいかなと思います”と、お茶目にアピールしていました。
また製作発表の会見時に、松也さんから舞台のタイトルにちなみ、幸四郎さんは「話す時に主語がない。主語なし鬼」と指摘されており、その件について染五郎さんに聞くと“これだけ日常生活を共にしていても慣れないんで、通訳が欲しいです”と、父をいじると幸四郎さんは“朧(おぼろ)の森だからしょうがない部分もあるんじゃない?”とタイトルを絡めて苦笑いで切り返していました。
すると、締めのあいさつで染五郎さんは “まあ舞台上では父も、ちゃんとしゃべっていると思いますので、ぜひ見に来てください”と再びいじり、爆笑をさらっていました。
この日の会見には坂東新悟さん、尾上右近さん、澤村宗之助さん、大谷廣太郎さん、片岡亀蔵さんも出席。舞台は12月26日まで新橋演舞場、来年2月には博多座で上演されます。
【担当:芸能情報ステーション】
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