17日に発表された、新築マンションの平均価格。東京23区では20年前は4900万円でしたが、今年上半期は、1億3000万円を超えました。過去最高値となりましたが、こうした中、注目を集めているのが「団地」です。どういうことなのでしょうか。
【写真で見る】築49年の団地が“割安・リノベーション物件”に進化
“新築マンション価格”過去最高値、割安・リノベ「団地」に注目
マンションの購入を検討しているという男性。
マンション購入を検討(20代)
「やっぱり8000万円とか1億円とか高いものが多い印象。ちょっと金額的に難しい」
今年上半期の新築マンションの平均価格。首都圏では8958万円、東京23区にいたっては1億3064万円と、いずれも過去最高値を更新しました。影響は賃貸にも及び、平均家賃は13万8460円と、こちらも過去最高に。そんな中、ある割安物件に注目が集まっています。
横浜市に家族3人で暮らす佐藤さん。
横浜市在住 佐藤さん
「子どもが生まれて戸建てやマンションなど探してはいるが、やっぱり色々な条件と金額とかも含めて、ここが一番居心地がいい」
駅徒歩8分、公園や緑も多く、子育てしやすいというこちらの物件。1LDKの周辺相場が10万円を超える中、佐藤さんの家賃は...
横浜市在住 佐藤さん
「この広さで8万円弱なので、値段的にも優しいかなって」
相場より2割も安いその理由…実はここ、築49年の団地なんです。
団地が生まれて今年で70年。当時、寝室とダイニングを分離した間取りや、水洗トイレ、流し台など、近代的な設備が整う庶民の憧れの的でした。
それから半世紀以上がたち、いまでは老朽化や高齢化が課題となっていますが…
記者
「こちらのお部屋、中に入ってみると、白と木目で統一されたスタイリッシュな空間が広がっています」
若い人を惹きつけようと、“割安・リノベーション物件”に進化しているんです。
こちらの団地では去年秋に、無印良品を展開する「良品計画」が手掛けた集会所が完成。
横浜市在住 佐藤さん
「アパートだと周りとの接点があまりないが、(団地だと)同じ子育て世代とか身近な話し相手になりやすい」
エレベーターがすべての階に止まらないなど不便さはありますが、ママ友の輪が広がるなど、居心地の良さを感じています。
ほかにも、普通の賃貸では難しいDIYが可能な団地も多く、安くて、自分好みの部屋が作れるのも魅力の一つです。
UR都市機構 石田優 理事長
「団地ってなんか古臭いねみたいな思いを持っている人もいるが、今にふさわしいものに変えていくことが、場合によっては団地の価値の再発見に」
首都圏マンション価格が過去最高、東京23区で“1.3億円超”に
藤森祥平キャスター:
高いですね。東京だけじゃなく、首都圏全てのマンションがどんどん上がってきていると。これは人件費、それから資材費の高騰。土地のいい場所、これが減っていて、取得する費用が上がってるそうです。
伊沢拓司さん:
まだ上がるなんて言われてますし。なかなか苦しい状況ですね。
小川彩佳キャスター:
高止まりが今後も続いていくという予測もありますからね。
藤森キャスター:
割安な家賃で注目されている物件をちょっとご紹介します。3畳ワンルームです。四ツ谷駅から徒歩9分で築5年の物件。
中廊下はちょっと狭いんですけど、それぞれ左右部屋になっています。奥の部屋の玄関を開けると、左手にキッチン、右手にお風呂、IHのコンロもついてます。リビング3畳ワンルーム。はしごの上がロフトでベッドになっている。お風呂、シャワーもついています。トイレはちょっと体の大きい人だと、ドアを閉めると膝が出ちゃうかな。
広さはこのタイプで9平米の物件です。家賃は7~8万円だそうです。このエリアの同様の築年数や、駅からの距離を見て調べました。大体一般的には、ワンルームの広さは最低でも20平米だったので、相場の平均が15万ぐらい。
そう考えると、半分ぐらい、面積半分で値段も半分。そんなイメージです。こういう世界観はどうですか。
伊沢拓司さん:
都心だと、夜すごせる空間、朝すごせる空間は結構ありますし、こういった物件の紹介が、YouTubeとかで結構流れてきたりもするので、そういう意味では、価値に流されないというか、自分の大切なものを見極められているという点では、素晴らしいのかなというふうには思います。
一方で、住宅価格が上がり続けている状況そのものに関しては、とても素晴らしいとは言えない状況だと思いますし、投機的なお金が流れ込んできて、より高くなっている部分もあると思うので、市場経済である以上、ある程度の投機はしょうがないとは思うんですけれども、特に東京都心はある程度、財政的に裕福な団体もあると思うので。
行政の支援とか、杉並区が低所得世帯向けの家賃補助を予算に盛り込んだみたいな話もありましたし、あとは企業の家賃補助なんかも、もしかしたら今後、よりアピールポイントになってくるかなと。
売り手市場の労働市場の中では大事なポイントかなと思うので、なかなか市場経済に任せておいてうまくいかないこの住宅価格というのを、企業や自治体がどうやってコントロールしていくのかというのは、喫緊の課題にはなりそうですね。
藤森キャスター:
小川さん、ちょっとこれびっくりなのが、こうした3畳ワンルームっていうのは他にも新宿、中目黒、恵比寿など都内にも1500戸あって、入居率がもう99%。出て行ってもすぐ入る状況なんですって。なぜかと聞いてみると、実際、代々木上原に住んでる方は「職場が表参道なのでそこから近いのが一番。古い物件には住みたくない」。こういうニーズが具体的にあるんです。
小川キャスター:
多様な選択肢の中で、あえてこれを選んでいくというのだったらいいとは思うんですけれど、行きつく先には何があるんだろう、とちょっと不安を覚えるところもあります。住まいは生活の土台でもありますから、参院選後の大きな課題になってくるのかなというふうに思います。
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<プロフィール>
伊沢 拓司さん
株式会社 QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中
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