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安くて新鮮な『国産サーモン』が世界を狙う!“海なし”でも養殖!?世界進出のカギは【ひるおび】

国内
2026-06-09 16:21

回転寿司でよく食べるネタ、15年連続1位に輝く「サーモン」!
実は今、ノルウェーやチリなど外国産が多かったサーモンに、「国産」の波が来ているんです。
水産研究・教育機構の推計では、養殖サーモンの国内生産量は、前年より1割増え、3万3000~3万4000トンと、過去最高となっています。
海がなくても養殖できる、そのワケとは?
サーモンの養殖・加工指導を行う、全日本サーモン協会代表のサーモン中尾氏に聞きます。


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国産の養殖サーモンに脚光 鮮魚店や「スシロー」でも

千葉県の鮮魚店「石毛魚類」に、威勢のいい声が響きます。
「サーモン、サーモン、サーモン!静岡だよ、静岡、静岡!」
ケースに並ぶのは、静岡県産のサーモン。


この店ではこれまで、ノルウェー産やチリ産のサーモンを取り扱ってきましたが、中東情勢で外国産サーモンの値段が上がってしまいました。
ノルウェー産サーモンは、2月初めには100g429円で販売していましたが、現在は600円前後にまで高騰。
現在生サーモンは、100g480円程度で価格が安定している静岡県産にすべて切り替えたといいます。


国産サーモンは、お客さんにも好評です。
「いつも買う。サーモン美味いよね。脂がちゃんと乗ってるところがいいよね。値段も(外国産と)変わらなくなったから、いいかなと思って。」


「サーモンって栄養があるから、家族にも食べさせたいし、安心もあるしね。」


「静岡産って珍しいですよね。物流を考えても、国産の方が新鮮さがある。」


石毛魚類 千城台本店 山田央店長はー
「色目、脂、あと歯ごたえ。味も勝っていると思います。
鮮度感も違いますし。サーモンは人気の商品なので、できる限り(価格が)下がると助かりますね。」


大手回転寿司チェーン店「スシロー」では、5月に国産養殖生サーモンが主役のフェアを行っていました。
定番メニューのサーモンには海外産が多く使用されてきましたが、フェアに選んだのは、青森県産の生サーモンです。


スシロー調達担当者の戸崎泰史氏はー
「青森のサーモンに決めさせていただきました。国産で水揚げされたサーモンを一番いい状態でお店に届けて食べていただくのが、究極のサーモンだと思っております。
養殖技術は確実に良くなっているので、良い状態の魚が仕入れやすくなっているんじゃないかなと思います。」


養殖技術の進歩も後押しし、スシローでの国産サーモンの取り扱い量は約1.5倍となっています。


戸崎氏は、今後の展望についてこう語ります。
「海外向けにもぜひ売っていきたいですね。特に日本のブランドは海外でも人気ですし、チャレンジしていきたいと考えています。」


「国産養殖サーモン」人気のワケ

◆1度も冷凍していないので鮮度が高い
◆中東情勢による影響を受けにくく安価で購入できる
◆寄生虫リスクが極めて低い


国内のサーモン養殖地は150程度あり、独自の餌で成長させた“ご当地サーモン”も数多くあります。
例えば愛媛ではみかんの皮などを餌に混ぜた「宇和島サーモン」。北海道には、松の実などの薬膳を混ぜた餌で育てた「薬膳サーモン」というブランドサーモンもあります。


サーモンの養殖指導を行ってきたサーモン中尾氏によると、小規模な養殖事業者が多く、それぞれブランドとしてバリエーション豊かなのが日本のサーモン養殖の特徴だといいます。


全日本サーモン協会代表 サーモン中尾氏:
日本の都道府県で作られていない場所がもうない程です。沖縄でも始まっています。


恵俊彰:
海がなくてもできるんですか?


全日本サーモン協会代表 サーモン中尾氏:
“海なし県”と呼ばれる長野や山梨でもいろいろなサーモンが作られていますね。


海がなくても!「陸上養殖」の技術とは

従来は、海面に生け簀やいかだなどの施設を並べ、魚介類や海藻類を人工的に育てて収穫する「海面養殖」が一般的でしたが、
今注目されているのが、水温や水質を人工管理して育てる「陸上養殖」です。
「陸上養殖」は▼気候変動による海水温の上昇や▼赤潮や自然災害のリスク▼海洋汚染問題などの影響を受けにくく、年間を通して育てられるというメリットがあります。


“海なし県”埼玉・神川町の山間にある、「株式会社さかなと」のサーモン養殖場を取材しました。


200平米ほどの農業用テントの中には、直径3m・深さ1mほどのコンパクトな生け簀が並んでいて、ひとつに約200尾のサーモンが泳いでいます。


この養殖を実現しているのが、同じ水をろ過して使い続ける「閉鎖循環型」という仕組みです。
水槽の中央から排出された水は、ろ過槽を通って再び水槽に戻ります。
2026年2月に養殖を始めた際に用意した11トンの水をほとんど減らさずに、不純物や毒素を除去しながら使い続けているそうです。


株式会社さかなと 鎌田奈津実代表取締役:
もともとサバの陸上養殖を“海なし県”埼玉で始めるということで事業がスタートしたんですが、回遊魚のサバを飼育するのは非常に難易度が高く、魚種の変更を検討して、サーモンを飼育するという形に至りました。
サバと比較して非常に高密度で飼育ができるというところと、サバの場合は水からあげて手で触るとすぐに弱ってしまいますが、サーモンは個体としての強さが非常にあります。


サーモンはサバに比べ活動量が低くストレスにも強いため、同じ養殖スペースで比べるとサバよりも多くの個体を育てることができ、管理もしやすいといいます。
水の循環ペースも少なく済むため、電気代も7分の1ほどに抑えられているそうです。


体長5cmほどだった稚魚は、約4か月で20cm~25cmほどと順調なペースで成長しています。ここで育てられているサーモンは、来年3月には約10倍の大きさに成長し、出荷される予定です。


株式会社さかなと 鎌田奈津実代表取締役:
我々は小さい規模で魚の養殖を行っていますので、一匹一匹の価値をしっかりと高めて伝えて販売していく必要があると考えております。
埼玉県産のサーモンとしてしっかりブランディングをして届けたいと考えております。


世界に進出するためのカギは

5月25日、千葉県の養殖場を視察した鈴木農水大臣は、
「陸上養殖は日本が勝ちに行くべき分野。日本のテクノロジーで世界を取りに行く。成長戦略に入れて後押しをしていきたい」と述べています。


サーモン中尾氏によると、
稚魚の確保餌代の低価格化、さらに知名度のアップが国産サーモン事業を成功させる要だといいます。


全日本サーモン協会代表 サーモン中尾氏:
サーモンを育てるための稚魚は、まだ輸入に頼っています。
また、サーモンを養殖するのにかかるコストの60~70%は餌代なので、どうしてもコストカットが今後課題になってきます。


恵俊彰:
日本の陸上養殖をなんとか世界に、という感じがしますね。


全日本サーモン協会代表 サーモン中尾氏:
そうですね。こんなに多くのサーモンの種類があって、それを食べられるのは日本だけです。
サーモンって秋のイメージがあると思うんですけど、今まさに国産サーモンは旬なんですよ。春先から大体7月の頭ぐらいにかけて、海で育てられている養殖サーモンは今が一番美味しいです。陸上養殖は一年中食べられます。


弁護士 八代英輝:
もう最新の静岡の養殖場は、AIで給餌も投薬も全て管理をされてます。
そのシステム自体も今度輸出しようという計画がありますね。


(ひるおび 2026年6月5日放送より)
==========
<プロフィール>
サーモン中尾氏
全日本サーモン協会代表
メディア等でサーモンの魅力を発信


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